シリコン(Silicon)

投稿者 :リンクプロ on

学名

  • Silicon, Si(元素記号:Si、原子番号:14)

注意事項

シリコン(Silicon)と**シリコーン(Silicone)**は異なる物質です。
シリコーンは、シリコン、酸素、および有機基を含む高分子化合物のことで、医療機器などの製造に使用されます
混同しないよう注意が必要です。


概要

シリコンは非金属元素であり、環境中に広く存在する
地殻およびマントルの**約28%を占め、酸素に次いで地球上で2番目に豊富な元素です。
シリコンは
二酸化ケイ素(SiO₂)として存在するほか、石英(クォーツ)などのケイ酸塩鉱物(地球上の鉱物の92%)**としても見られます。

また、シリコンは微量ミネラルとして体内にも存在しており、以下のような食品から摂取できます:

  • コーヒー
  • ビール
  • ろ過されていない飲料水
  • 穀物
  • 果物・野菜(特にバナナ、レーズン、豆類、レンズ豆)

ただし、人間におけるシリコンの明確な生理的役割はまだ確立されていません


⚠ 安全性

「適切な量を経口摂取する場合は、おそらく安全」
シリコンは食品中に一般的に含まれており、通常の摂取量では健康に悪影響を及ぼさないと考えられています。

  • 成人の平均的なシリコン摂取量は 1日20〜50mg と推定されています。
  • 推奨摂取量(RDA)や耐容上限摂取量(UL)は確立されていません。

⚠ 妊娠・授乳中

「食品に含まれる量を経口摂取する場合はおそらく安全」

  • 1日20〜50mgの摂取量が一般的
  • しかし、医薬品レベルの高用量についての安全性データは不足しているため、過剰摂取は避けるべき

⚠ 副作用

食品や水に含まれる通常の量では、健康上のリスクは報告されていません。

❗ まれに発生する重篤な副作用

シリコン(二酸化ケイ素、SiO₂)が粉塵として吸入された場合、特に鉱山や工場などの職業環境では以下の病気のリスクが増加します:

  • 珪肺症(シリコーシス)
  • 結核
  • 慢性気管支炎
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 肺がん
  • 腎炎(糸球体腎炎)
  • 血管炎
  • リウマチ性関節炎

通常の食品摂取ではこのようなリスクはありません。


⚠ 効果(有効性)

「おそらく有効(POSSIBLY EFFECTIVE)」

骨粗鬆症(Osteoporosis)

  • 男性および閉経前女性において、シリコンの食事摂取量が多いほど、骨密度(BMD)が高い傾向がある。
  • ただし、シリコンのサプリメントが骨粗鬆症のリスクを軽減するかどうかは不明

「信頼できる十分な証拠がない(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)」

以下の疾患に対する効果については、研究が不十分であり、確立された証拠がない。

  • 老化による皮膚の変化(Aging skin)
  • アルツハイマー病(Alzheimer disease)
  • 男性型脱毛症(Androgenic alopecia)
  • 心血管疾患(Cardiovascular disease, CVD)
  • 歯周インプラント周囲炎(Dental peri-implantitis)

さらに研究が必要です。


⚠ 用法・用量

「成人の推奨摂取量は確立されていない」

  • 一般的な食事からの摂取量は 1日20〜50mg。
  • 超微量元素(ウルトラトレースエレメント)として「有益な摂取量(ABI)」が将来的に設定される可能性がある。

⚠ 市販のシリコン製品

シリコンは食品サプリメントとして以下の形態で販売されている:

  • 水溶性ケイ酸(Biosil, BioMineral NV)
  • モノメチルトリシラノール(G5, LLR-G5)
  • コロイドケイ酸ゲル(Silicol, Saguna)
  • 二酸化ケイ素タブレット(Silicea, Weleda / Silica, New Era)
  • ホーステールエキス(Horsetail, Good 'n Natural)

また、**アルカリ性の地下水(ボトルウォーター)には 85-90mg/L のシリコン(二酸化ケイ素)**が含まれているが、逆浸透膜ろ過された水にはほぼ含まれていない


⚠ 医薬品・サプリメントとの相互作用

医薬品との相互作用:なしサプリメントとの相互作用:なし


⚠ 影響を受ける可能性がある疾患

  • 胃全摘術後(Gastrectomy) → シリコンの吸収が低下する可能性がある。

⚠ シリコンの吸収・代謝・排泄

吸収

  • シリコンは小腸上部で素早く吸収される。
  • 胃での一部吸収もあるが、胃全摘術後には血中シリコン濃度が最大26%低下する

代謝

  • シリコンと鉄の代謝は直接関連している可能性がある。

排泄

  • 70〜80%が腎臓で排泄(尿中に排出)
  • 排泄の約90%が8時間以内に行われる
  • 腎機能が低下すると、排泄能力が低下
  • 糞便中にも約40%が排泄される

⚠ 作用メカニズム

アルミニウムとの結合作用

  • シリコンはアルミニウムと結合し、組織への蓄積を防ぐ可能性がある。

骨への作用

  • シリコン摂取量が多いほど骨密度(BMD)が高い
  • エストロゲン欠乏による骨量減少を抑制する可能性がある
  • 骨形成(コラーゲン合成促進)に関与する可能性

⚠ まとめ

通常の食事での摂取は安全であり、骨の健康維持に有益かもしれない。
粉塵として吸入すると肺疾患のリスクがあるため注意が必要。
骨密度を高める可能性はあるが、確実な効果は未確立。
医薬品レベルの高用量摂取の安全性は不明。


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