学名
Terminalia bellirica(別名:Myrobalanus bellirica)
科名
シクンシ科(Combretaceae)
⚠ 注意事項
ターミナリア・ベリリカは、ターミナリア・チェブラ(Terminalia chebula)やターミナリア・アルジュナ(Terminalia arjuna)とは異なるため、混同しないようにしてください。
概要
ターミナリア・ベリリカは、樹木の一種で、その果実がアーユルヴェーダ医学においてターミナリア・チェブラ(Terminalia chebula)やインディアングースベリー(Amla、Indian gooseberry)と組み合わせて使用されます。
安全性
✅ 可能性として安全(POSSIBLY SAFE)
- 経口で適切に短期間使用する場合は、安全と考えられる。
- 特定のターミナリア・ベリリカ抽出物(Ayuric)は、最大2,000 mg/日で24週間の使用が安全とされている。
❌ 妊娠
- 経口摂取は危険の可能性あり(POSSIBLY UNSAFE)。
- ある情報源では、妊娠中のターミナリア・チェブラおよびターミナリア・ベリリカの使用を避けるよう警告しているが、その理由は明確ではない。
- 安全性が確立されるまで使用を避けるべき。
❌ 授乳
- 信頼できる情報が不足しているため、使用を避けるべき。
副作用
- ターミナリア・ベリリカは一般的に良好に耐容されると考えられるが、安全性の詳細な評価は行われていない。
効果(科学的根拠の不十分なもの)
以下の症状や疾患に対する有効性は不明であり、さらなる研究が必要とされています。
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便秘(Constipation)
- 便秘の治療に対する効果についての十分な臨床データがない。
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咳(Cough)
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慢性腎臓病(CKD)
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糖尿病(Diabetes)
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下痢(Diarrhea)
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胃食道逆流症(GERD)
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歯肉炎(Gingivitis)
- ターミナリア・ベリリカの局所使用が歯肉炎の治療に有効かどうかは不明。
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HIV/AIDS
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脂質異常症(Hyperlipidemia)
- 他の成分との組み合わせで評価されたが、単独での効果は不明。
使用方法と投与量
成人
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経口摂取:
- 研究データが限られているため、標準的な用量は不明。
- 疾患ごとの詳細情報は「効果の項目」を参照。
標準化と製剤化
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特定の臨床研究で使用された抽出物(Ayuric)は、以下の成分を含む:
- 1%以上のチュブリン酸(Chebulinic Acid)とチュブラギン酸(Chebulagic Acid)。
- 15%以上の低分子加水分解性タンニン。
相互作用
薬との相互作用
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抗糖尿病薬(Antidiabetes Drugs)
- 相互作用レーティング:中程度(Moderate)
- 重症度:中程度(Moderate)
- 発生可能性:あり(Possible)
- 理論上、ターミナリア・ベリリカの併用により血糖コントロールに影響を及ぼし、低血糖のリスクが増加する可能性がある。
サプリメントとの相互作用
- 低血糖を引き起こす可能性のあるハーブやサプリメントとの併用で、低血糖リスクが増加する可能性がある。
疾患との相互作用
- 手術前後(Perioperative)の使用は避けるべき。
過剰摂取(オーバードーズ)
- 過剰摂取の症状や治療法についての信頼できる情報はない。
作用機序(メカニズム)
適用部位
作用
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抗糖尿病作用(Anti-diabetic Effects)
- 糖尿病モデルのラットにおいて、大麦・小麦とともに摂取した場合、腸内のα-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ、およびDPP-4の活性を抑制した。
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心血管作用(Cardiovascular Effects)
- 血中脂質プロファイルの改善効果が報告されているが、ターミナリア・アルジュナやターミナリア・チェブラよりも効果は低いとされる。
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消化器系への作用(Gastrointestinal Effects)
- 腸の不調や消化不良に有益な可能性がある。
- 収れん作用(Astringent Properties)によるものと考えられる。
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肝保護作用(Hepatoprotective Effects)
- ガリック酸(Gallic Acid)を含み、肝臓を保護する作用があると考えられる。
まとめ
✅ ターミナリア・ベリリカの果実は、アーユルヴェーダ医学でターミナリア・チェブラやインディアングースベリーとともに使用される。
✅ 短期間の使用は安全とされるが、妊娠中は避けるべき。
✅ 便秘、糖尿病、下痢、咳などへの効果が期待されているが、信頼できる臨床データは不足している。
✅ 抗糖尿病薬との併用は低血糖のリスクを高める可能性があるため注意が必要。
✅ 消化器系の不調や肝保護作用が期待されるが、さらなる研究が必要。