テアクリン(Theacrine)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Theacrine(テアクリン)


概要

テアクリンは、カフェインに構造が類似したプリンアルカロイドの一種であり、以下の植物に含まれています。

  • 茶(Camellia sinensis)
  • コーヒー(Coffea spp.)
  • Herrania 属およびTheobroma 属の種子

テアクリンは1937年に

  • カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)の葉から初めて単離された。
  • 中国雲南省(標高1000m以上)で栽培される茶樹「Camellia assamica var. kucha」に多く含まれる主要なプリンアルカロイドである。

安全性

✅ 可能性として安全(POSSIBLY SAFE)

  • 適切に使用する限り、短期間の経口摂取は安全と考えられる。
  • 特定のテアクリン製品(TeaCrine)は、1日300mgまで8週間の使用で安全と確認されている。

❌ 妊娠・授乳中

  • 信頼できる情報が不足しているため、使用を避けるべき。

副作用

  • 経口摂取では、特に重大な副作用の報告はない。
  • ただし、安全性についての詳細な評価は行われていない。

効果(科学的根拠の不十分なもの)

以下の症状や疾患に対する有効性は不明であり、さらなる研究が必要とされています。

  1. 運動パフォーマンス(Athletic Performance)

    • 予備的な臨床研究では、テアクリンが運動パフォーマンスを向上させないことが示唆されている。
    • ただし、研究規模が小さく、統計的な検出力が不足している可能性がある。
  2. 認知機能(Cognitive Function)

    • テアクリンは、他の成分と組み合わせて研究されているが、単独での効果は不明。
  3. 疲労軽減(Fatigue)

    • テアクリンが疲労を軽減する可能性があるが、信頼できる情報が不足している。
  4. 精神的覚醒(Mental Alertness)

    • 他の成分との組み合わせで研究されているが、単独での効果は不明。
  5. 筋力向上(Muscle Strength)

    • カフェインとの併用で評価されているが、単独での効果は不明。

使用方法と投与量

成人

  • 経口摂取:
    • 研究データが限られているため、標準的な用量は不明。
    • TeaCrine製品の臨床研究では、1日300mgが最大8週間使用された。

標準化と製剤化

  • テアクリンの標準化に関する十分な情報はない。

相互作用

薬との相互作用

  1. 中枢神経抑制薬(CNS Depressants)
    • 相互作用レーティング:中程度(Moderate)
    • 理論上、テアクリンは中枢神経抑制薬の効果を変化させる可能性がある。

サプリメントとの相互作用

  • 鎮静作用のあるハーブやサプリメントと併用すると、鎮静効果が増減する可能性がある。

疾患との相互作用

  • 現在のところ、既知の相互作用はなし。

臨床検査への影響

  • 現在のところ、既知の相互作用はなし。

過剰摂取(オーバードーズ)

  • テアクリンの過剰摂取に関する信頼できる情報はない。

薬物動態(ファーマコキネティクス)

吸収

  • 経口摂取後、血漿中のピーク濃度到達時間は約2時間。

排泄

  • テアクリンの消失半減期は、単回経口投与(25〜125mg)後に約16〜26時間。

作用機序(メカニズム)

基本的な作用

  • テアクリンは、カフェインに類似したプリンアルカロイド。
  • Camellia assamica var. kuchaの葉に含まれるプリンアルカロイドの40%を構成。

肝臓への影響

  • 動物研究では、テアクリンの肝保護作用が示唆されている。
  • 抗酸化作用と炎症性メディエーターの産生抑制が関与している可能性がある。

運動能力への影響

  • テアクリンは伝統的にエネルギー増強や運動パフォーマンス向上のために使用される。
  • 動物研究では、テアクリンが自発運動を増加させることが示唆されている。
  • しかし、投与量や投与経路によって異なる反応を示す可能性がある。

神経伝達への影響

  • テアクリンはアデノシン受容体拮抗作用を示す可能性がある。
  • また、ドーパミンレベルを増加させることで、覚醒やエネルギー向上に寄与する可能性がある。
  • 慢性的なテアクリン摂取では、運動感作や耐性の発生が見られないとされる。

まとめ

テアクリンは、カフェインに類似したプリンアルカロイドで、茶やコーヒーに含まれる。
短期間の経口摂取(最大8週間、1日300mg)は安全と考えられているが、長期使用のデータは不足している。
運動パフォーマンス向上、認知機能向上、疲労軽減の可能性があるが、科学的根拠は限定的。
中枢神経抑制薬との相互作用がある可能性があり、注意が必要。
アデノシン受容体拮抗作用とドーパミン増加作用により、カフェインと類似した効果が期待されるが、耐性がつきにくい可能性がある。
肝保護作用がある可能性が示唆されているが、さらなる研究が必要。


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