トリビュラス(Tribulus)

投稿者 :リンクプロ on

■ 学名
Tribulus terrestris(トリビュラス・テレストリス)

■ 科名
ハマビシ科(Zygophyllaceae)

■ その他の一般的な名称
ハマビシ、トリビュラス


概要

トリビュラスは一年草の小型植物で、
南ヨーロッパ、中国、アフリカ、南アジア、メキシコ、アメリカ南部など温帯~熱帯地域に自生しています。
中国、インド、ギリシャの伝統医学で、**強壮剤・精力増強剤(催淫剤)**として有名です。

また、消化器疾患、呼吸器感染症、肝疾患、皮膚疾患、食欲増進、母乳分泌促進、堕胎促進などにも使われてきました。


安全性

おそらく安全(POSSIBLY SAFE)
短期間・適切使用時(最大90日間)。
エキス750~1500mg/日、最大90日間で安全。
粉末果実6g/日、最大60日間で安全。

おそらく危険(LIKELY UNSAFE)
トゲ付き果実を経口摂取すると、
 気胸や気管支ポリープが報告されています。

妊娠中:「おそらく危険」
胎児への悪影響が示唆されており、使用禁止

授乳中:情報不足
使用を避けるべき。


副作用

一般的には良好に耐えられるとされますが、
まれに重篤な副作用も報告されています。

  • 肝障害、腎障害
  • けいれん
  • **持続性の痛みを伴う勃起(勃起持続症)**による性機能障害
  • トゲ付き果実摂取による気胸、気管支ポリープ

効果

おそらく効果あり(POSSIBLY EFFECTIVE)
性機能障害(男女ともに改善効果)

おそらく効果なし(POSSIBLY INEFFECTIVE)
運動能力向上(アスリートパフォーマンス向上)

効果不十分(Insufficient Evidence)
・狭心症、アトピー性皮膚炎、細菌性膣炎、前立腺肥大症(BPH)、がん、慢性疲労症候群(CFS)、糖尿病、勃起不全、運動後の筋損傷、淋病、高コレステロール、高血圧、腎結石、不妊症(男性)、更年期症状、骨粗鬆症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、早漏


用法・用量

成人(経口)
エキス:750~1200mg/日、12週間
粉末果実:6g/日、60日間

腟用
研究不足で標準量なし

小児(経口)
研究不足で標準量なし


相互作用

【薬との相互作用】

糖尿病薬(低血糖リスク)
降圧薬(低血圧リスク)
リチウム(血中濃度上昇リスク)

【サプリ・ハーブとの相互作用】

低血糖作用サプリ(ギムネマ、桑葉など)
降圧作用サプリ(西洋オトギリソウなど)


機能・作用メカニズム

使用部位:葉、果実、根

【主成分】
・アルカロイド(ハルマン、ノルハルマン)
・フラボノイド
・サポニン類(ジオスゲニン、プロトジオスシン)
・ステロイドサポニン(テレストリニンA・B、トリボールなど)

【性機能改善】
プロトジオスシンテストステロン、DHEA、LH、DHTを上昇させる可能性(動物研究)
男性・女性の性機能改善に関与する可能性
健康な男性ではテストステロン増加効果なしとの研究もあり

【抗がん作用】(試験管内)
悪性黒色腫、肝細胞がん、乳がん、卵巣がん細胞にアポトーシス誘導

【抗糖尿病作用】
血糖降下作用(動物実験)

【抗真菌作用】
カンジダ、クリプトコッカスに対する抗菌活性

【駆虫作用】
寄生虫駆除作用(試験管内)

【心血管作用】
冠動脈拡張、血圧降下(ACE阻害)
利尿作用(腎結石や尿路疾患改善に伝統的使用)

【骨密度増加】(ラット)
DHEA増加+尿中カルシウム排泄減少による可能性

【中枢神経作用】
鎮痛作用(動物実験)
アルカロイドが神経症状誘発例あり(羊)


製品例

・トリビュラスサプリメント
・性機能改善、筋力アップ、ホルモン調整目的


注意事項まとめ

短期・適量なら比較的安全(90日以内)
妊娠・授乳中NG
トゲ付き果実は危険(肺損傷報告あり)
肝障害、腎障害、勃起持続症など稀に重篤例
健康男性ではホルモン増強効果は期待しづらい

性機能改善サポートや利尿作用を期待してサプリとして使う人もいますが、過剰摂取や長期服用には注意が必要です。


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