パープルルーストライフ(Purple Loosestrife)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Lythrum salicaria

科名
ミソハギ科(Lythraceae)


概要

パープルルーストライフは多年生の草本で、イラン、北アフリカ、アジアの温帯地域、ヨーロッパを原産としています (99418)。


主な用途

  • 経口:
    下痢や月経困難症に伝統的に用いられています。また、消炎作用、収れん作用、抗生物質様作用を目的として使用されることがあります。

  • 外用:
    静脈瘤、歯肉炎、痔、アトピー性皮膚炎(湿疹)に用いられることがあります。


安全性(Safety)

現時点でパープルルーストライフの安全性に関する十分な情報はありません。

妊娠・授乳中

  • 信頼できる十分な情報がないため、使用は避けることが推奨されます。

副作用(Adverse Effects)

  • 全般(General)
    これまでに報告された副作用はありませんが、十分な安全性評価が行われたわけではありません。

有効性(Effectiveness)

パープルルーストライフの有効性を支持する十分な研究は現在のところなく、信頼できる情報は不十分です。


用量・使用法(Dosing & Administration)

成人(Adult)

  • 経口:
    伝統的に、1日2~3杯のハーブティーが使用されてきました。
    • ハーブティーの作り方:
      乾燥させたパープルルーストライフ3gを100mLの沸騰したお湯に10~15分浸出させ、漉す。
    • チンキ剤: 1日あたり2~3小さじ分が使用される場合もあります。
      • チンキ剤の作り方は、乾燥パープルルーストライフ20gを20%アルコール溶液100mLに浸け、5日後に漉す (18)。

標準化および製剤(Standardization & Formulation)

パープルルーストライフの成分標準化に関する信頼できる情報はありません。


相互作用

  • 医薬品との相互作用
    特に報告はありません。
  • サプリメントとの相互作用
    特に報告はありません。
  • 疾患との相互作用
    特に報告はありません。
  • 臨床検査との相互作用
    特に報告はありません。

過剰摂取(Overdose)

パープルルーストライフの毒性や過剰摂取に関する情報は不十分です。


市販製品

  • [View All]

薬物動態(Pharmacokinetics)

薬物動態に関する十分な情報はありません。


作用機序(Mechanism of Action)

  • 適用部位: 地上部の開花部位が利用されます。
  • 主要成分: タンニン、フラボノイド、フェノール酸、アントシアニン、アルカロイド、フタル酸エステル、ステロール、トリテルペンなど。サリカリニンA、B、C(ellagitanninの一種)を含む (99418,99420)。
  1. 抗糖尿病作用(Antidiabetic effects)
    糖尿病モデル動物において、パープルルーストライフのメタノール抽出物(15g/kg)を投与すると血糖値がわずかに低下したとの報告があります (99418)。

  2. 抗炎症作用(Anti-inflammatory effects)
    パープルルーストライフ抽出物およびそこから単離されたエラジタンニン類には、炎症反応に関与する好中球を抑制する効果が報告されています。たとえばインターロイキン8や活性酸素種の産生抑制、エラスターゼやミエロペルオキシダーゼ、ヒアルロニダーゼの放出低減、好中球表面のインテグリンCD11b発現の抑制などが挙げられます (99419)。

  3. 抗菌作用(Antimicrobial effects)
    サリカリン(salicarin)などの成分には腸内細菌に対する抗菌活性が示唆されています (18)。さらに、Helicobacter pylori の増殖抑制作用が確認されており (99418)、Staphylococcus aureusProteus mirabilisEscherichia coliMicrococcus luteusに対しても有効とする報告があります (99420)。
    さらにカンジダ属真菌(Candida albicans)にも有効性が示され、トリテルペンであるオレアノール酸やウルソール酸は、Cladosporium cucumerinum への活性も示します (99420)。

  4. 抗酸化作用(Antioxidant effects)
    試験管内研究では、パープルルーストライフ抽出物が抗酸化活性を示すことが報告されています (98418)。


以上が、パープルルーストライフに関する現時点での主な情報です。安全性や有効性については十分な研究が行われていないため、利用にあたっては慎重であるべきとされています。

References

See Monograph References


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