イラクサ(Stinging Nettle)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Urtica dioica, Urtica urens

科名
イラクサ科(Urticaceae)

注意:
イラクサとホワイトデッドネットルフラワー(White Dead Nettle Flower)を混同しないようにしてください。


概要

イラクサは草本植物で、高さ2〜4メートルに成長し、鋭い葉と白色から黄白色の花が特徴です。根と葉の両方が薬用として使用されます。古代ギリシャの医師ディオスコリデスとガレノスの時代には、利尿剤や下剤として利用されていました。また、ヨーロッパ薬局方に記載されており、野生の食用植物としてスープなどの料理に使用されることもあります。


安全性

おそらく安全(POSSIBLY SAFE)

  • 経口摂取: 適切に使用する場合、安全と考えられます。イラクサの根(360〜600mg)は、最大1年間安全に使用された例があります。

  • 外用使用: 適切に使用する場合、安全と考えられます。

妊娠中: おそらく安全ではない(LIKELY UNSAFE)

  • 経口摂取は避けるべき。流産作用や子宮刺激作用の可能性があります。

授乳中: 信頼できる十分な情報がないため、使用を避けるべきです。


副作用

一般的な副作用

  • 経口摂取: 便秘、下痢。

  • 外用: 生の植物に触れると、かゆみ、発疹、刺すような痛みが発生することがあります。


効果

おそらく有効(POSSIBLY EFFECTIVE)

  • 糖尿病: イラクサの経口摂取により血糖コントロールが改善される可能性があります。

十分な証拠がない(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)

  • アレルギー性鼻炎(花粉症): 役立つかどうかは不明です。

  • 貧血: 使用が検討されていますが、臨床的な効果に関する十分な情報がありません。

  • 喘息: 使用が検討されていますが、臨床的な効果に関する十分な情報がありません。

  • 前立腺肥大症(BPH): 役立つかどうかは不明です。

  • 出血: 他の成分と併用した研究のみが行われており、単独での効果は不明です。

  • 歯肉炎(口腔洗浄液): 他の成分と併用した研究のみが行われており、単独での効果は不明です。

  • 痛風: 使用が検討されていますが、臨床的な効果に関する十分な情報がありません。

  • 湾岸戦争症候群: 役立つかどうかは不明です。

  • 高アンドロゲン血症: 役立つかどうかは不明です。

  • 虫刺され: 他の成分と併用した研究のみが行われており、単独での効果は不明です。

  • 腎結石(ネフロリチアシス): 使用が検討されていますが、臨床的な効果に関する十分な情報がありません。

  • 筋痛: 外用使用が検討されていますが、臨床的な効果に関する十分な情報がありません。

  • 変形性関節症: 小規模な臨床試験では、外用使用が関節痛を軽減する可能性がありますが、経口使用の効果は不明です。

  • 耳鳴り: 他の成分と併用した研究のみが行われており、単独での効果は不明です。


投与と使用方法

成人の経口摂取:

  • 研究が限られており、標準的な用量は不明。

標準化と製剤化:

  • イラクサの標準化に関する信頼できる十分な情報はありません。


薬物相互作用

  • 糖尿病治療薬: 併用すると相加作用の可能性があるため、注意が必要。

  • 利尿剤: 併用すると相加作用の可能性があるため、注意が必要。

  • リチウム: 体内のリチウム濃度を上昇させる可能性があるため、注意が必要。

  • ワルファリン(クマジン): 抗凝固薬の効果を低下させる可能性があるため、注意が必要。


作用機序

一般的な成分と効果

  • イラクサの地上部には、カロテン、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、カルシウム、マグネシウムが含まれる。

  • イラクサの葉には、β-シトステロール、フラボノイド(ケルセチン、ルチン、ケンフェロール)を含む。

  • イラクサの毛にはヒスタミン、アセチルコリン、セロトニンが含まれる。

特定の効果

  • 鎮痛作用: 関節炎の痛みを軽減する可能性がある。

  • 抗アレルギー作用: ケルセチンがヒスタミン放出を抑制する可能性がある。

  • 抗がん作用: 根に含まれるアグルチニンが成長因子受容体に作用する可能性がある。

  • 抗炎症作用: 変形性関節症などにおいて抗炎症作用を示す可能性がある。

  • 抗ウイルス作用: HIVやインフルエンザウイルスの複製を阻害する可能性がある。

  • 心血管系作用: 利尿作用による血圧低下の可能性がある。

  • 抗糖尿病作用: インスリン分泌を促進する可能性がある。

  • 前立腺関連の作用: BPHや前立腺がんに関する研究が進行中。


分類

  • 5-α還元酵素阻害剤

  • 利尿剤

  • 低血糖作用剤

 


この投稿をシェアする



← 投稿順 新着順 →