ステビア(Stevia)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Stevia rebaudiana
(別名: Eupatorium rebaudianum, Stevia eupatoria

科名

キク科(Asteraceae / Compositae)


概要(Overview)

ステビアはパラグアイ北東部、ブラジル、アルゼンチン原産の多年生低木で、現在は世界中で栽培されています(76393, 90907)。

伝統的な用途:

  • パラグアイでは甘味料や避妊薬として使用されてきた(11, 76393)。
  • 現在、ステビアの葉から抽出された成分は、多くの国で食品用甘味料として利用されている(90907)。

米国では、ステビアの葉や抽出物は甘味料として認可されていない(90907)。

  • ただし、ステビオシド(Stevioside)やレバウディオシドA、D、M などの特定の成分は、米国食品医薬品局(FDA)によって一般に安全と認められる食品成分(GRAS)として承認されている(11808, 16699, 90907, 108049)。

⚠️ 安全性(Safety)

「ステビオシド」「レバウディオシドA、D、M」は、食品の甘味料としての使用において

  • 「おそらく安全(LIKELY SAFE)」(16699, 16700, 16702, 16705, 16706, 108049)。
  • ステビオシドは 1日最大 1500 mgを2年間服用しても安全とされる(11809, 11810, 11811)。

「全葉のステビア」や「ステビア抽出物」の安全性は不明(INSUFFICIENT RELIABLE INFORMATION)。

  • 欧州食品安全機関(EFSA)は、ステビオール配糖体の許容摂取量を体重1kgあたり 4mg/日と設定(106456)。
  • ただし、この基準が「全葉のステビア」や「ステビア抽出物」に適用できるかは不明。

妊娠・授乳中の使用(PREGNANCY AND LACTATION)

安全性が不明なため、使用を避けるべき(Avoid Using)

報告されている副作用は少ないが、軽度の消化器症状が起こる可能性あり。


⚠️ 副作用(Adverse Effects)

一般的に忍容性は高い(Well tolerated)。

📌 よく見られる副作用:

  • 腹部膨満感(Abdominal bloating)
  • めまい(Dizziness)
  • 頭痛(Headache)
  • 筋肉痛(Myalgia)
  • 吐き気(Nausea)
  • 手足のしびれ(Numbness)

📌 まれな重篤な副作用:

  • アレルギー反応(Allergic reactions)

⚠️ 有効性(Effectiveness)

🔍 信頼できる十分な証拠がなく、有効性の評価は不確定(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)

研究対象分野:

  1. 糖尿病(Diabetes)

    • ステビアの血糖降下作用について研究があるが、結果は一貫していない(Conflicting results)
  2. 高血圧(Hypertension)

    • 血圧を下げる可能性があるが、研究結果は一定していない。
  3. 肥満(Obesity)

    • 体重管理に有益な可能性があるが、確定的な証拠は不足している。

⚠️ 相互作用(Interactions)

薬物との相互作用(Drug Interactions)

軽度の注意が必要(MINOR: Be watchful)

  • 抗糖尿病薬(Antidiabetes drugs)

    • ステビアは血糖値を下げる可能性があるため、糖尿病薬と併用すると低血糖のリスクがある。
  • 降圧薬(Antihypertensive drugs)

    • ステビアは血圧を下げる可能性があるため、降圧薬と併用すると低血圧のリスクがある。

中等度の注意が必要(MODERATE: Be cautious)

  • リチウム(Lithium)
    • ステビアがリチウムの排出を遅らせる可能性があり、体内のリチウム濃度が上昇するリスクがある。

サプリメントとの相互作用(Supplement Interactions)

軽度の注意が必要(MINOR: Be watchful)

  • 血糖降下作用のあるハーブ・サプリメント(Hypoglycemic Herbs & Supplements)
  • 降圧作用のあるハーブ・サプリメント(Hypotensive Herbs & Supplements)

⚠️ 作用機序(Mechanism of Action)

主要成分:

  • ステビオシド(Stevioside)
  • レバウディオシドA、D、M(Rebaudiosides A, D, M)
  • フラボノイド(Quercetin, Luteolin, Apigenin など)
  • フィトステロール(Stigmasterol, Beta-Sitosterol, Campesterol)

生理作用:

抗糖尿病作用(Antidiabetic effects)

  • インスリン分泌を促進(76309, 76316, 76329)。
  • 腸での糖吸収を抑制(5035)。
  • 骨格筋のグルコース輸送を改善し、インスリン感受性を向上させる(11813)。

血圧降下作用(Blood Pressure effects)

  • カルシウムチャネル遮断作用(11809, 11811, 76308)。
  • 血管拡張および利尿作用(3746, 3747, 76308)。

抗酸化作用(Antioxidant effects)

  • グルタチオン濃度の上昇、脂質過酸化の抑制(106459)。

抗菌作用(Antimicrobial effects)

  • 食中毒原因菌に対する殺菌効果(3300, 76394)。

体重管理(Weight loss effects)

  • 動物実験では体重減少を確認(106459)。
  • ヒトでのデータは不確定。

⚠️ まとめ(Summary)

甘味料として安全性が高く、血糖値や血圧を下げる可能性がある。
🚫 全葉のステビアやステビア抽出物の安全性は不明。
糖尿病薬・降圧薬・リチウムと併用する場合は注意が必要。
妊娠・授乳中の使用は避けるべき。

💡 一般的な食品用途では安全とされるが、治療目的での使用にはさらなる研究が必要。

References

See Monograph References


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