ステレオスペルムム(Stereospermum)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Stereospermum chelonoides
(別名: Bignonia chelonoides, Stereospermum suaveolens

科名

ノウゼンカズラ科(Bignoniaceae)


概要(Overview)

ステレオスペルムムはインド、バングラデシュ、ミャンマー原産の落葉樹で、植物全体が伝統医学で使用されてきました(88137, 88139, 88143)。

伝統的な用途:

  • 経口使用:

    • 消化不良(Dyspepsia)
    • しゃっくり(Hiccups)
    • 嘔吐(Vomiting)
    • 下痢(Diarrhea)
    • 痛み(Pain)
    • 発熱(Fever)
    • 糖尿病(Diabetes)
    • 肝障害(Liver disorders)
    • 喘息(Asthma)
    • 脳疾患(Brain disorders)
  • 外用使用:

    • 創傷治癒(Wound healing)

⚠️ 安全性(Safety)

🔍 信頼できる十分な安全性データが不足している(INSUFFICIENT RELIABLE INFORMATION)

妊娠・授乳中の使用(PREGNANCY AND LACTATION)

安全性が不明なため、使用を避けるべき(Avoid Using)

報告されている副作用なし(No reported adverse effects)

  • ただし、安全性の詳細な評価が行われていないため注意が必要。

⚠️ 有効性(Effectiveness)

🔍 信頼できる十分な証拠がなく、有効性の評価は不確定(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)

動物実験および伝統医学での使用報告:

  1. 鎮痛作用(Analgesic effects)

    • 動物研究では、ステレオスペルムム樹皮エキスに鎮痛効果が確認されている(88141)。
    • 機序は不明だが、フェノール化合物が関与している可能性あり。
  2. 抗糖尿病作用(Antidiabetic effects)

    • 糖尿病モデルのラットで血糖値を低下させる効果を確認(88136, 88139)。
    • ただし、ヒトでのデータはなし。
  3. 抗炎症作用(Anti-inflammatory effects)

    • 動物研究で抗炎症活性を示す(88137, 88138)。
    • フェノール成分が関与している可能性あり。
  4. 抗酸化作用(Antioxidant effects)

    • 動物研究ではフリーラジカル除去、グルタチオン濃度低下抑制、脂質過酸化抑制、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)およびカタラーゼ活性増加が確認されている(88131, 88132, 88139, 88140, 88142, 88143)。
  5. 解熱作用(Antipyretic effects)

    • 動物研究では、発熱モデルに対し解熱効果を示した(88141)。
  6. 消化器系への影響(Gastrointestinal effects)

    • 消化不良の伝統的治療に使用される。
    • 動物研究では胃潰瘍予防効果が確認された(抗酸化作用が関与)(88140)。
  7. 肝保護作用(Hepatic effects)

    • ストレプトゾトシン誘発性および四塩化炭素(CCl4)誘発性肝障害モデルで肝機能を改善(88132, 88136, 88139)。
  8. 神経保護作用(Neuroprotective effects)

    • 動物実験で脳梗塞モデルの梗塞サイズを縮小(88143)。
    • 実験的パーキンソン病モデルでも保護作用を示す(88142)。

⚠️ 相互作用(Interactions)

薬物との相互作用(Drug Interactions)

中等度の注意が必要(MODERATE: Be cautious)

  • 抗糖尿病薬(Antidiabetes drugs)
    • 動物実験で血糖値を下げる作用が確認されている。
    • 抗糖尿病薬と併用すると低血糖リスクが増加する可能性あり(88136, 88139)。

サプリメントとの相互作用(Supplement Interactions)

中等度の注意が必要(MODERATE: Be cautious)

  • 血糖降下作用のあるハーブ・サプリメント(Herbs and Supplements with Hypoglycemic Potential)
    • 理論上、血糖値を下げすぎる可能性あり。

疾患との相互作用(Condition Interactions)

以下の疾患を持つ人は注意

  • 糖尿病(Diabetes)低血糖リスク
  • 手術前(Surgery)術前の血糖管理に影響する可能性あり

⚠️ 過剰摂取(Overdose)

🔍 過剰摂取時の症状や治療法に関する信頼できる情報は不足している。


⚠️ 作用機序(Mechanism of Action)

適用部位:

  • 植物全体(Entire plant)

主成分:

  • 樹皮:
    • アルカロイド(Alkaloids)
    • フェノール類(Phenols)
    • サポニン(Saponins)
    • フラボノイド(Flavonoids)
    • タンニン(Tannins)
    • 炭水化物(Carbohydrates)(88131, 88137)。
  • 葉:
    • ステレオレンシン(Stereolensin)
    • スケレラレイン(Scutellarein)
    • 6-ヒドロキシルテオリン(6-Hydroxy luteolin)
    • ディナチン(Dinatin)
    • ディナチン-7-グルクロニド(Dinatin-7-glucuroniside)(88139)。

⚠️ まとめ(Summary)

有望な生理作用:

  • 抗炎症、抗酸化、抗糖尿病、神経保護、肝保護、鎮痛、解熱作用が確認されている(主に動物実験)。
  • 糖尿病、消化器疾患、脳疾患に関する伝統的な利用がある。

🚫 使用を避けるべき人:

  • 妊娠中・授乳中の女性
  • 糖尿病治療中の人(低血糖リスク)
  • 手術を予定している人(血糖管理への影響)

ヒトでの有効性・安全性が確立されていないため、慎重に扱うべき。

References

See Monograph References


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