学名
科
ナス科(Solanaceae)
注意事項
- ウィンターチェリー(Physalis alkekengi)は、アシュワガンダ(Ashwagandha)(別名: Winter Cherry)、スイートチェリー(Sweet Cherry)、タートチェリー(Tart Cherry)、ワイルドチェリー(Wild Cherry)とは異なる植物です。
概要
ウィンターチェリーは多年草の植物で、高さ30cm~60cmに成長します。
原産地は中央ヨーロッパ、南ヨーロッパ、イラン、中国、東南アジアです。
使用用途
伝統的な用途(経口摂取)
- 関節炎(Arthritis)
- 糖尿病(Diabetes)
- 痛風(Gout)
- 排尿困難(Difficulty urinating)
- 前立腺肥大症(BPH, Benign Prostatic Hyperplasia)
- 腎結石(Kidney stones)
- 発熱(Fever)
- 炎症(Inflammation)
- 便秘(Constipation)
- 浮腫(Edema)
- 利尿作用(Diuretic)
- 避妊(Contraceptive)
- 堕胎薬(Abortifacient)
安全性(Safety)
信頼できる安全性情報は不十分
- ウィンターチェリーの安全性についての信頼できる十分な情報はありません。
妊娠中(PREGNANCY):おそらく危険(POSSIBLY UNSAFE)
- 動物研究では、ウィンターチェリー抽出物が胚の着床を阻害する可能性が示唆されています。
- 使用を避けるべきです。
授乳中(LACTATION)
- 信頼できる十分な情報がないため、使用を避けるべきです。
副作用(Adverse Effects)
一般的な副作用(General Adverse Effects)
- これまでに報告された副作用はありませんが、安全性についての詳細な評価は行われていません。
有効性(Effectiveness)
信頼できる証拠が不十分(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)
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前立腺肥大症(BPH)
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研究結果
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40~75歳の未治療のBPH患者を対象とした臨床試験では、ウィンターチェリー果実、スイートバイオレットの花、エキウムアモエヌムの花のアルコール抽出物を1mL(1日2回、2週間)摂取すると、前立腺の体積が約17%減少し、IPSS(前立腺症状スコア)が約51%改善した。
- プラセボ群では、前立腺体積が約3%増加し、IPSSは約25%の改善にとどまった。
- ただし、この効果がウィンターチェリー単独によるものか、他の成分との相乗効果かは不明。
摂取方法と用量(Dosing & Administration)
成人(経口摂取)
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前立腺肥大症(BPH)
- **ウィンターチェリー果実、スイートバイオレットの花、エキウムアモエヌムの花のアルコール抽出物を1mL(1日2回、2週間)**摂取する方法が使用された。
標準化と製剤化(Standardization & Formulation)
- ウィンターチェリーの標準化に関する信頼できる情報は不足している。
相互作用(Interactions)
薬との相互作用(Interactions with Drugs)
1. 抗糖尿病薬(ANTIDIABETES DRUGS)
- 動物研究では、ウィンターチェリー抽出物が血糖値を低下させることが報告されている。
- 理論的には、抗糖尿病薬と併用すると低血糖のリスクが高まる可能性がある。
2. シトクロムP450 2E1(CYP2E1)基質
- 試験管研究では、ウィンターチェリー抽出物がCYP2E1の活性を阻害することが報告されている。
- 理論的には、CYP2E1を介して代謝される薬物の効果や副作用を増強する可能性がある。
サプリメントとの相互作用(Interactions with Supplements)
1. 低血糖作用を持つハーブ・サプリメント
- 動物研究では、ウィンターチェリー抽出物が血糖値を低下させることが確認されている。
- 他の血糖降下作用を持つハーブやサプリメントと併用すると、低血糖のリスクが高まる可能性がある。
健康状態との相互作用(Interactions with Conditions)
- 糖尿病(DIABETES)
-
手術(SURGERY)(血糖値の変動のリスクがあるため、手術前の使用は避けるべき)
臨床検査との相互作用(Interactions with Lab Tests)
過剰摂取(Overdose)
- ウィンターチェリーの毒性に関する信頼できる情報は不足している。
薬理作用(Mechanism of Action)
適用部位
主な成分
- フィザリン(Physalins)
- アルカロイド(Alkaloids)
- フラボノイド(Flavonoids)
- フェノール酸(Phenolic acids)
- メガスティグマン配糖体(Megastigmane glycosides)
- クエン酸(Citric acid)
- ビタミンC
ウィンターチェリーの効果
1. 抗糖尿病作用(Antidiabetic effects)
- 動物研究では、ウィンターチェリー抽出物が血糖値、脂質レベル、インスリン感受性を改善し、細胞内のブドウ糖取り込みを増加させることが示された。
- α-グルコシダーゼ酵素を阻害することで、血糖値の急上昇を抑える可能性がある。
2. 避妊・抗妊娠作用(Antifertility effects)
- 動物研究では、ウィンターチェリー抽出物を妊娠1~5日目に投与すると、胚の着床数や新生児の体重が減少することが示された。
- 抗エストロゲン作用も示唆されている。
3. ホルモン作用(Hormonal effects)
- 動物研究では、ウィンターチェリーがエストロゲン受容体を阻害し、テストステロンレベルを低下させる可能性がある。
結論
- 糖尿病や前立腺肥大への効果が示唆されているが、臨床的な証拠は不足。
- 妊娠中や授乳中の使用は避けるべき。
- 抗糖尿病薬との併用には注意が必要。