ウォータードック(Water Dock)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Rumex aquaticus

科名

タデ科(Polygonaceae)


概要

ウォータードックは多年生の植物で、ヨーロッパおよびアジアの温帯地域に自生しています。葉はサラダとして食用に利用されることもあります (98211)。

伝統的な用途として、以下の症状に使用されてきた。

  • 消化器系疾患(胃腸障害)
  • 口腔潰瘍
  • 血液浄化
  • 利尿作用
  • 解熱作用(発熱の緩和)

安全性

ウォータードックの安全性について、信頼できる十分な情報はない。

妊娠・授乳中の使用

信頼できる情報がないため、使用を避けることが推奨される。


副作用

これまでに副作用の報告はないが、詳細な安全性評価は行われていない。


有効性

ウォータードックの効果について、信頼できる十分な情報がない。


用量と使用方法

成人

📌 適切な摂取量に関する標準的な情報はなし。

ウォータードックはシュウ酸(oxalate)を含むため、鉄・カルシウム・亜鉛などのミネラルと結合し、吸収を妨げる可能性がある (7,12)。

  • ミネラル吸収を最適化するために、ウォータードックの摂取とミネラルサプリメントの摂取時間を分けることが推奨される。

標準化と製剤化

  • ウォータードックの標準化に関する信頼できる情報なし。

薬との相互作用

  • 知られている相互作用なし。

サプリメントとの相互作用

⚠ カルシウム

  • ウォータードックのシュウ酸がカルシウムと結合し、吸収を妨げる可能性がある。

⚠ 鉄

  • ウォータードックのシュウ酸が鉄と結合し、吸収を妨げる可能性がある。

⚠ 亜鉛

  • ウォータードックのシュウ酸が亜鉛と結合し、吸収を妨げる可能性がある。

📌 ミネラルサプリメント(カルシウム・鉄・亜鉛)を摂取する場合は、ウォータードックの摂取と1時間以上間隔を空けることが推奨される。


健康状態との相互作用

⚠ 腎結石(ネフローリチアシス, Nephrolithiasis)

  • シュウ酸を含むため、腎結石のリスクがある人は摂取を避けるべき。

臨床検査との相互作用

  • 知られている相互作用なし。

過剰摂取

  • ウォータードックの過剰摂取に関する十分な情報なし。

薬物動態(Pharmacokinetics)

  • ウォータードックの薬物動態に関する十分な情報なし。

作用機序(Mechanism of Action)

使用部位

  • 葉(生または乾燥)
  • 乾燥した根(伝統的に利用される部位)

主な成分

ウォータードックには以下の成分が含まれる。

  • アントラセン誘導体(Anthracene derivatives)
  • シュウ酸(Oxalic acid)
  • シュウ酸カルシウム(Calcium oxalate)
  • タンニン(Tannins)
  • 脂質(Fat)
  • タンパク質(Protein)
  • ケルセトリン(Quercitrin)
  • デンプン(Starch)

① 消化器系の健康

  • ウォータードックのエタノール抽出物は、ヒト胃上皮細胞の過酸化水素誘発酸化ストレスから細胞を保護する作用を示した (98211)。
  • この保護作用は、抗酸化酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)の産生を促進する ケルセチングルコピラノシド(quercetin glucopyranoside)の働きによると考えられる。

② 抗炎症作用

  • ウォータードック葉のエタノール抽出物は、ピロリ菌(Helicobacter pylori)に感染した胃細胞で発生する炎症性サイトカインの産生を抑制することが確認された (98212)。
  • この作用は、胃の健康維持や胃炎の予防に関与する可能性がある。

まとめ

ウォータードックは伝統的に胃腸疾患、血液浄化、解熱剤として使用されてきたが、科学的証拠は不十分。
シュウ酸を含むため、鉄・カルシウム・亜鉛の吸収を阻害する可能性があるため、摂取タイミングに注意。
腎結石のリスクがある人は摂取を避けるべき。
抗酸化作用や抗炎症作用の可能性が研究されているが、臨床試験は不足している。

📌 結論: ウォータードックは伝統的に消化器系の健康維持に使用されてきたが、科学的エビデンスは限られており、安全性についても十分な情報がないため、使用には慎重であるべき。

References

See Monograph References


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