学名
Cicuta virosa(シノニム:Cicuta mackenzieana、Cicuta maculata)
科名
セリ科(Apiaceae/Umbelliferae)
注意事項
⚠ 以下の植物と混同しないように注意:
- ヘムロック(Hemlock)
- ヘムロックスプルース(Hemlock Spruce)
- ヘムロックウォータードロップワート(Hemlock Water Dropwort)
概要
ウォーターヘムロックは、北アメリカの温帯地域の湿地や沼地に生育する極めて有毒な植物です。
✅ 米国農務省(USDA)によると、「ウォーターヘムロックは北アメリカで最も強烈な毒性を持つ植物」とされる。
歴史と伝統的な用途
⚠ ウォーターヘムロックは極めて有毒であるため、伝統的な使用であっても危険を伴う。
✅ 経口摂取(推奨されない)
- 片頭痛(Migraine headaches)
- 月経痛(Painful menstruation)
- 寄生虫駆除(Worm infestations)
✅ 外用(塗布)(推奨されない)
- 皮膚炎の治療(Inflammation of the skin)
安全性
🚨 「危険(UNSAFE)」(経口・外用のいずれも) (6349)
経口摂取による致死性
- ウォーターヘムロックは、北アメリカで最も毒性の強い植物の一つとされる (6349)。
- 植物のどの部分を摂取しても中毒を引き起こす可能性がある (6348,6352,85540,85543,85546,85548)。
- 致死量は成人で根茎1個、または2~3cmの根で致死的になる可能性がある (6347,6349)。
- 摂取後、急速に重篤な症状を引き起こし、死亡することがある。
外用(塗布)による致死性
- ウォーターヘムロックを皮膚に塗布するだけでも死亡する可能性がある (6348,6349)。
小児への影響
-
「危険(UNSAFE)」(経口・外用のいずれも)(6347,6351,6355,85531,85538,85542,85544,85545)
-
中毒による死亡例が報告されている。
- ウォーターヘムロックの中空の茎を笛として使用したことで死亡した例あり (6347)。
- 根やその他の部位を誤食し死亡した例あり (6355)。
- 皮膚に塗布して死亡した例あり (6351)。
妊娠・授乳中の使用
🚨 「危険(UNSAFE)」(経口・外用のいずれも)(6348,6349)
- ウォーターヘムロックは極めて毒性が高いため、妊娠・授乳中は絶対に使用を避けるべき。
副作用(中毒症状)
⚠ ウォーターヘムロックは強い毒性を持ち、以下の中毒症状を引き起こす。
一般的な副作用
-
嘔吐(Vomiting) (6350)
-
急性腎不全(Acute renal failure) (54716,6351)
-
代謝性アシドーシス(Marked metabolic acidosis) (6348,6346)
-
発作・痙攣(Seizures and convulsions) (54716,85535,6348,6346)
-
意識喪失(Unconsciousness) (6348,6350)
-
死亡(Death) (85531,85535,6350,6346)
その他の影響
-
血圧低下(Orthostatic hypotension) (6350)
-
頻脈(Tachycardia) (6350)
-
腹痛・けいれん(Abdominal cramps) (6350)
-
横紋筋融解症(Rhabdomyolysis) (54716,6351)
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赤みがかったチアノーゼ(Reddish tinted cyanosis) (6348)
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瞳孔散大(Dilated pupils) (6348)
-
神経症状(Neurologic lethargy) (6350)
🚨 死亡例が多数報告されており、即時の医療対応が必要。
有効性
❌ ウォーターヘムロックの効果について、信頼できる十分な情報がない。
用量と使用方法
📌 適切な摂取量に関する標準的な情報はなし。
⚠ 毒性が極めて高いため、経口摂取・外用のいずれも推奨されない。
標準化と製剤化
- ウォーターヘムロックの標準化に関する信頼できる情報なし。
薬との相互作用
⚠ リチウム(Lithium)
- ウォーターヘムロックには利尿作用があると考えられている。
- 理論上、リチウムの排泄が低下し、血中濃度が上昇する可能性があるため注意が必要。
サプリメントとの相互作用
健康状態との相互作用
臨床検査との相互作用
- 血清肝酵素(SERUM LIVER ENZYMES)
- 血清筋酵素(SERUM MUSCLE ENZYMES)
過剰摂取
🚨 ウォーターヘムロックの過剰摂取は致命的。
- 誤って摂取した事例の多くは、根をカブ、パースニップ、野生ニンジンと間違えたことによる (85531,6350)。
- 米国ではメイン州からニューメキシコ州まで、広範囲で中毒例が報告されている (85548,85547,54716)。
📌 治療は症状に応じて行われるが、特定の解毒剤はない。
作用機序(Mechanism of Action)
主な毒性成分
-
シクチトキシン(Cicutoxin) (85531,6348,85537)
📌 強力な神経毒であり、GABA(γ-アミノ酪酸)の作用を抑制することで、痙攣や呼吸抑制を引き起こす。
まとめ
🚨 ウォーターヘムロックは北アメリカで最も毒性の強い植物の一つであり、経口摂取・外用ともに危険。
🚨 わずかな量でも中毒症状を引き起こし、死亡に至る可能性が高い。
🚨 誤食や誤用を防ぐため、絶対に使用しないこと。
References