オメガ-6脂肪酸 (Omega-6 Fatty Acids)

投稿者 :リンクプロ on

概要

オメガ6脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸 (PUFA) の一種で、炭素鎖のメチル末端から6番目の炭素に最初の二重結合を持つ脂肪酸のファミリーです。これには必須脂肪酸であるリノール酸 (18:2n-6)、γ-リノレン酸 (18:3n-6)、アラキドン酸 (20:4n-6) が含まれます。リノール酸は主に植物油に、アラキドン酸は動物性脂肪や魚に含まれます(7701, 23723)。


安全性

  • おそらく安全:
    食品に含まれる量で摂取する場合。食事からの摂取量は1日の総カロリーの5〜10%が適切です(23723)。

  • 子ども:
    12か月以上の子どもが、食事から1日の総カロリーの5〜10%の範囲で摂取する場合、安全とされています(23723)。

  • 妊娠および授乳中:
    食事から適切な範囲(1日の総カロリーの5〜10%)で摂取する場合、安全とされています。ただし、高用量の摂取は胎児の低出生体重やアトピー性皮膚炎のリスク増加と関連する可能性があります(96913, 103309)。


副作用

  • 一般的な副作用:
    食品に含まれる量で摂取する場合は、良好に耐容されます。

  • 重大な副作用:
    現在のところ、食品量での摂取における重大な副作用の報告はありません。


効果

おそらく無効

  • 心血管疾患 (CVD):
    食事中のオメガ6脂肪酸の摂取量を増やしても、心血管疾患のリスクを低下させないことが示唆されています。

  • 小児発達:
    アラキドン酸とDHAを含む乳児用フォーミュラの補充は、乳幼児の発達を改善しないとされています。

  • 脂質異常症:
    オメガ6脂肪酸の摂取は、血漿コレステロールや中性脂肪レベルを低下させる効果がないようです。

  • 多発性硬化症 (MS):
    オメガ6脂肪酸の摂取は、MSの症状改善には効果がないとされています。

信頼できる証拠が不十分

以下の条件に対するオメガ6脂肪酸の効果にはさらなる研究が必要です:

  • 加齢に伴う認知機能低下
  • ADHD(注意欠陥多動性障害)
  • 癌予防
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)
  • 肥満
  • ドライアイ

用法と投与量

  • 成人:
    標準的な投与量は不明ですが、通常、食品から摂取します。推奨摂取量は総カロリーの5〜10%(約12〜22g/日)です。

  • 子ども:
    食事からの摂取量は1日の総カロリーの5〜10%が推奨されます。


作用機序

  • 細胞機能:
    オメガ6脂肪酸は細胞膜の構成要素として機能し、細胞シグナル伝達に関与します(11120)。

  • 炎症と代謝:
    アラキドン酸はエイコサノイドに変換され、炎症反応や血圧調整に役割を果たします。ただし、これらの効果には正負の両面があります(66645, 66678)。

  • 脳機能:
    長鎖多価不飽和脂肪酸(PUFA)、特にアラキドン酸は、脳の灰白質脂質の約3分の1を構成し、成長と発達に重要です。


注意事項

  • オメガ6脂肪酸は必須脂肪酸であり、バランスの取れた食事を通じて摂取することが推奨されます。
  • オメガ6とオメガ3脂肪酸の摂取比率を適切に保つことが、炎症や慢性疾患リスクの管理において重要と考えられています。

オメガ6脂肪酸の補充や医療用途については、専門家に相談してください。

References

See Monograph References


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