サイゴンシナモン(Saigon Cinnamon)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Cinnamomum loureirii(シノニム:Cinnamomum loureiroi

科名
クスノキ科 (Lauraceae)


概要

サイゴンシナモンは、ベトナム原産の木の樹皮から得られる香辛料です。

  • 栽培地域:ベトナム、中国南部、ラオス。
  • 用途:伝統的な中国医学や料理に使用されています。

安全性

ほぼ安全(LIKELY SAFE)

  • 食品に含まれる量を経口摂取した場合。
  • 米国ではスパイスや調味料としてGRAS(一般的に安全と認められる)として認定されています。

おそらく安全ではない(POSSIBLY UNSAFE)

  • 長期間、高用量を経口摂取した場合。
  • サイゴンシナモンは他のシナモン種よりも高濃度のクマリン(coumarin)を含み、肝毒性が懸念されます。
    • クマリンの耐容一日摂取量(TDI):体重1 kgあたり0.1 mg(70 kgの成人では約7 mg/日)。
    • サイゴンシナモンには1 gあたり約7 mgのクマリンが含まれるため、体重70 kgの成人は食品で1 g(約小さじ1/4杯)を超えて摂取しないことが推奨されます。

妊娠・授乳中

  • 安全性に関する十分な信頼できる情報がないため、使用は避けるべきです。

副作用

一般的な副作用

  • 特に報告されていませんが、包括的な安全性評価は行われていません。

肝臓への影響

  • 高用量のクマリン摂取により肝毒性が発生する可能性がありますが、通常の使用量では稀です。

効果

信頼できる十分な証拠が不足している(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE TO RATE)
以下の用途については臨床的な証拠が不足しています:

  • 糖尿病:血糖値の管理における効果は不明です。
  • 関節リウマチ(RA):症状の改善に対する効果は不明です。

用量と投与方法

  • 経口摂取:研究が限られているため、典型的な用量情報はありません。

相互作用

薬物との相互作用

  • 肝毒性を持つ薬剤:サイゴンシナモンは肝毒性を増加させる可能性があるため注意が必要です。

サプリメントとの相互作用

  • 肝毒性を持つハーブやサプリメント:肝毒性リスクを増加させる可能性があります。

疾患との相互作用

  • 肝疾患:肝障害の悪化を引き起こす可能性があるため、使用を避けるべきです。

作用機序

主な成分

  • 2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール、シンナムアルデヒド、シンナム酸、オイゲノール、モノテルペン、セスキテルペン。
  • 他のシナモン種よりも高濃度のクマリンを含む。

主な作用

  • 抗糖尿病作用:インビトロ研究で、腸内酵素(マルターゼ、スクラーゼ)の活性を抑制し、膵臓アルファアミラーゼを減少させることが示されています。
  • 抗炎症作用:シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の活性を阻害。
  • 抗ウイルス作用:HIV-1のCD4 T細胞への結合と逆転写酵素を阻害。
  • 認知機能への効果:アセチルコリンエステラーゼを阻害し、神経保護効果を示唆する研究が動物で行われています。

分類

  • 肝毒性物質(Hepatotoxic Agents)

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