サメ軟骨(Shark Cartilage)

投稿者 :リンクプロ on

学名

  • Squalus acanthias(トゲトゲドッグフィッシュ)
  • Sphyrna lewini(ヒラシュモクザメ)

注意事項

  • ウシ軟骨(Bovine Cartilage)やコンドロイチン硫酸(Chondroitin Sulfate)と混同しないように注意。
    • コンドロイチン硫酸はサメ軟骨から抽出されることがある。

概要

  • サメ軟骨は、サメの骨格を形成し、ヒレなどの支持構造としても機能する。
  • 太平洋で捕獲されたサメから採取されることが多く、医療用途としての需要が増えたため、サメの個体数が減少している。
  • 1970年代後半にウシ軟骨の代替品として導入された。

安全性(Safety)

おそらく安全(POSSIBLY SAFE)

  • 経口摂取(短期間)

    • 臨床試験では 最長24週間 の使用で安全とされる。
    • 進行がんの患者では 最長40か月 使用されたケースもあり、安全性が示唆されている。
  • 外用(短期間)

    • 最長8週間 の外用使用で安全とされる。

妊娠・授乳中の使用

  • 十分な信頼できる情報がないため、使用を避けるべき。

副作用(Adverse Effects)

一般的には良好に耐容されるが、副作用が報告されている。

最も一般的な副作用

  • 便秘(Constipation)
  • めまい(Dizziness)
  • 消化不良(Dyspepsia)
  • 紅斑(Erythema)
  • 疲労感(Fatigue)
  • 低血圧(Hypotension)
  • 吐き気(Nausea)
  • 味覚異常(Taste disturbance)
  • 嘔吐(Vomiting)

稀な重篤な副作用

  • 意識障害(Altered consciousness)
  • 筋力低下(Decreased motor strength)
  • 感覚低下(Decreased sensation)
  • 全身の虚弱(Generalized weakness)
  • 肝炎(Hepatitis)
  • 高血糖(Hyperglycemia)
  • 低血糖(Hypoglycemia)
  • 末梢浮腫(Peripheral edema)

効果の有効性(Effectiveness)

おそらく効果がない(LIKELY INEFFECTIVE)

  • がん(Cancer)
    • 進行がん患者における臨床研究の結果、サメ軟骨の経口摂取は効果がないとされている。

信頼できる十分な証拠がない(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)

  • 加齢黄斑変性(AMD)
  • 糖尿病性網膜症(Diabetic retinopathy)
  • カポジ肉腫(Kaposi sarcoma)
  • 変形性関節症(Osteoarthritis)(他の成分と組み合わせて評価されており、単独での効果は不明)
  • 乾癬(Psoriasis)
  • 腎細胞がん(Renal cell carcinoma)

🚨 これらの疾患に対する有効性を評価するには、さらなる研究が必要。


用法・用量(Dosing & Administration)

🔹 成人(経口摂取)

  • 研究が限られており、標準的な用量は確立されていない。
  • 酸性のジュース(オレンジ、リンゴ、ブドウ、トマトなど)と混ぜると活性が低下するため、摂取直前に調合する必要がある。

🔹 成人(外用)

  • 研究が限られており、標準的な用量は確立されていない。

薬物・サプリメントとの相互作用(Interactions)

薬物との相互作用

  • 免疫抑制剤(Immunosuppressants)
    • サメ軟骨は 免疫抑制療法と相互作用する可能性があり、注意が必要。

サプリメントとの相互作用

  • カルシウム(Calcium)
    • サメ軟骨には カルシウムが含まれているため、サプリメントとの併用に注意が必要。

作用機序(Mechanism of Action)

一般的な成分

  • タンパク質(約40%)
  • グリコサミノグリカン(5~20%)(コンドロイチンを含む)
  • カルシウム塩(最大25%)
  • 微量元素(鉄、亜鉛、セレン、銅、マンガン、モリブデン、チタン、ストロンチウム)

主な作用

  1. 鎮痛作用(Analgesic effects)

    • 一部の動物研究で、サメ軟骨に鎮痛効果があることが示唆されている。
  2. 抗がん作用(Anticancer effects)

    • サメはがんにならないとされたが、その後、腎細胞がん・リンパ腫・軟骨腫などのがんが確認されている。
    • ヒトの進行がんに対する効果は臨床試験で確認されていない。
  3. 抗炎症作用(Anti-inflammatory effects)

    • サメ軟骨抽出物(AE-941, Neovastat)は、VEGFやHIF-2αの発現を抑え、気道の炎症を抑制する。
  4. 抗酸化作用(Antioxidant effects)

    • サメ軟骨は活性酸素を除去し、DNA損傷を防ぐ可能性がある。
  5. 乾癬治療(Anti-psoriasis effects)

    • 局所的な血管新生(新しい血管の形成)を抑制することで、乾癬に効果がある可能性がある。
  6. 線維溶解作用(Fibrinolytic effects)

    • 血栓や塞栓症の予防に有効である可能性。
  7. 免疫刺激作用(Immune stimulation)

    • ナチュラルキラー(NK)細胞の活性を増強し、免疫系を刺激する可能性。

結論

サメ軟骨には抗炎症・鎮痛・抗酸化作用があるが、がん治療には効果がないとされている。
安全性は比較的高いが、副作用として低血圧や消化器症状が出ることがある。
免疫抑制剤との相互作用に注意が必要。
さらなる研究が必要な成分であり、臨床的な有効性は不確定。


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