スペアミント(Spearmint)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Mentha spicata(別名:Mentha viridis, Mentha cordifolia

シソ科(Lamiaceae/Labiatae)


注意事項

スペアミントオイルはアロマセラピーで使用されることがあります。ただし、以下の植物と混同しないよう注意が必要です。

  • イングリッシュホースミント(English Horsemint)
  • 日本ハッカ(Japanese Mint)
  • ペパーミント(Peppermint)
  • シソ(Perilla)
  • サルビア・ディビノラム(Salvia divinorum)
  • ワイルドミント(Wild Mint)

概要

スペアミントはミント属の植物の一種で、ヨーロッパやアジアが原産ですが、アメリカでもよく育ちます。
葉や精油を採取するために栽培されており、食品や化粧品の香料として使用されます。


安全性

安全とされる使用方法

食品に含まれる量の使用安全性が高い(LIKELY SAFE)
米国食品医薬品局(FDA)により「一般的に安全と認められる食品(GRAS)」として分類されています。

薬用目的で経口または外用使用おそらく安全(POSSIBLY SAFE)

  • スペアミントエキス(最大900mg/日)は90日間の使用で安全とされています。
  • スペアミントティーは1日2回、最大16週間安全に摂取された例があります。

妊娠中の使用

食品に含まれる量での使用安全(LIKELY SAFE)
妊娠中に大量摂取すると危険(POSSIBLY UNSAFE)
動物研究では、大量のスペアミントティーが子宮損傷を引き起こす可能性が示唆されています。妊娠中は食品に含まれる程度の量以上の使用は避けてください。

授乳中の使用

食品に含まれる量での使用安全(LIKELY SAFE)
十分なデータがないため、大量摂取は避けるべき


副作用

一般的には経口摂取しても問題なく、よく耐えられます。

主な副作用

皮膚に塗布した場合

  • アレルギー性接触皮膚炎
  • 唇炎(口唇炎)

その他の影響が考えられる分野

  • 心血管系
  • 皮膚
  • 消化器系
  • 免疫系
  • 神経系
  • 精神系

効果の評価(科学的証拠が不足)

現在の研究では、スペアミントの特定の効果について確かな証拠は不十分です。

認知機能(加齢による認知機能低下)

不明確 → スペアミントエキスが認知機能低下の改善に有効かどうかは不明。
少数の臨床研究では、スペアミントエキスやスペアミントフレーバーのガムが認知機能のほとんどの指標を改善しなかったと報告されています。

鼓腸(ガス溜まり)

証拠不足 → スペアミントが鼓腸(ガス溜まり)を改善するかどうかは不明。

多毛症(Hirsutism)

🔸 可能性あり → 小規模な研究では、スペアミントティーがテストステロンをわずかに減少させる可能性があるが、体毛の成長への影響は不明。

過敏性腸症候群(IBS)

証拠不足 → 他の成分と組み合わせた研究のみで、単体の効果は不明。

変形性膝関節症

証拠不足 → スペアミントティーの効果は不明。

術後の吐き気・嘔吐(PONV)

証拠不足 → アロマセラピーとしての使用が研究されているが、単体での効果は不明。

💡 さらなる研究が必要です。


摂取方法と推奨量

成人

  • スペアミントエキス:900mg/日、最大90日間
  • スペアミントティー:1日2回、最大16週間

アロマセラピー

  • 研究が限られており、標準的な投与量は不明。

相互作用

薬との相互作用

  1. 中枢神経抑制薬(CNS DEPRESSANTS)

    • 影響: 鎮静作用を変化させる可能性があるため注意が必要。
  2. 肝毒性薬(HEPATOTOXIC DRUGS)

    • 影響: 高用量のスペアミントは肝臓へのダメージを増加させる可能性がある。

サプリメントとの相互作用

  1. 肝毒性のあるハーブ・サプリメント

    • 影響: 高用量のスペアミントは肝毒性を示す可能性がある。
  2. 鎮静作用を持つハーブ・サプリメント

    • 影響: 鎮静効果を増強する可能性がある。

疾患との相互作用

腎臓病・肝臓病のある人は注意


過剰摂取

過剰摂取に関する十分な情報はないため、大量摂取は避けるべき。


スペアミントを含む製品

  • カナダの認可製品
  • NSF認証製品

薬物動態(体内での代謝・排泄)

十分な情報なし


作用メカニズム

有効成分

  • 葉と精油が主要な部分
  • スペアミント精油の主成分
    • カルボン(50~70%)
    • ロスマリン酸
    • リモネン
    • ピネン
    • リナロール

抗炎症作用

  • スペアミントは抗炎症効果を示す。
  • 精油やカルボンが炎症細胞の増殖を抑制。
  • ロスマリン酸を豊富に含む抽出物は炎症メディエーターを抑制。

抗菌作用

  • 伝統的に消毒剤として使用。
  • 細菌・真菌に対する抗菌活性が確認されている。
  • 主な活性成分はメントールとカルボン。

肝毒性

  • スペアミントティーを30日間飲むと肝臓の損傷マーカー(AST、ALT)が上昇し、肝臓の変性や壊死が生じる可能性がある。
  • 酸化ストレスの誘導による影響が示唆されている。

分類

  • 肝毒性物質
  • 鎮静作用を持つ物質

結論:適量なら安全だが、大量摂取は避けるべき。特に妊娠中・肝臓病・腎臓病のある人は注意が必要。


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