スペインオレガノオイル(Spanish Origanum Oil)

投稿者 :リンクプロ on

学名: Coridothymus capitatusSatureja capitata, Thymus capitatus の同義語)

科: シソ科(Lamiaceae/Labiatae)

注意:

  • タイムオイル(Thyme Oil)、タイム(Thyme)、ワイルドタイム(Wild Thyme)とは異なる植物。

🌿 概要

  • スペインオレガノオイルは、タイムの一種(Thymus capitatus)およびカルバクロールを多く含むオレガノ種から蒸留された精油。(11)
  • 食品や飲料の風味付け、香料、医薬品として使用される。

🛡 安全性

「安全」(LIKELY SAFE):

  • 食品添加物として使用される場合は安全とされる(米国ではGRAS(一般に安全と認識される)として承認済み)。(4912)

「医薬レベルの使用に関する十分な情報がない」

  • 医薬品や外用薬としての安全性については十分な研究がない。

妊娠・授乳中

🚫 「安全性が不明」(INSUFFICIENT RELIABLE INFORMATION):

  • 妊娠中・授乳中の使用は避けるべき。

⚠ 副作用

  • 現在、報告されている副作用はなし。
  • ただし、十分な安全性評価が行われていないため、過剰摂取や長期使用には注意が必要。

💊 有効性

🔹 効果が不明(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)

火傷(Burns)(外用として使用)
感染症の予防・治療(Preventing and Treating Infections)(外用として使用)

📌 医学的に有効性を確認するための十分な研究がない。


📏 投与量・摂取方法

  • 典型的な摂取量は確立されていない。
  • 食品添加物として使用される場合は安全とされるが、医薬品や外用薬としての使用には注意が必要。

🔬 作用機序

🌿 主な成分

  • カルバクロール(Carvacrol)(主要成分)
  • チモール(Thymol)
  • β-カリオフィレン(Beta-Caryophyllene)
  • p-シメン(p-Cymene)
  • α-テルピネン(Alpha-Terpinene)
  • その他のモノテルペン、セスキテルペン、フェノール類(11, 104833)

📌 成分の割合は、植物の生育環境(地理的条件・標高)によって異なる。

🦠 主な薬理作用

駆虫作用(Anthelmintic effects)

  • カルバクロールとチモールが寄生虫に対する駆除作用を持つ可能性あり。(11)

抗菌作用(Antibacterial effects)

  • スペインオレガノオイル抽出物が以下の細菌に対して in vitro で活性を示した。
    • Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)
    • Escherichia coli(大腸菌)
    • Staphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)
    • その他の細菌種(4064, 4065, 4066, 104833)

抗真菌作用(Antifungal effects)

  • 以下のカビ菌に対して in vitro で活性を示した。
    • Aspergillus flavus(アスペルギルス・フラバス)
    • Aspergillus niger(アスペルギルス・ニガー)
    • その他のカビ菌(4059, 4060, 4062, 4063, 104833)

抗酸化作用(Antioxidant effects)

  • フリーラジカルの除去作用や、リン脂質の酸化を抑制する効果が in vitro で確認されている。
  • カルバクロールとチモールが関与。(4067, 104833)

🩺 相互作用

💊 医薬品との相互作用

  • 現在、報告されている相互作用はなし。

🌿 サプリメント・ハーブとの相互作用

  • 現在、報告されている相互作用はなし。

💉 検査値への影響

  • 現在、報告されている影響はなし。

🚨 注意点

食品レベルでの使用は安全。
精油として使用する場合は濃度に注意(高濃度での使用は未検証)。
妊娠中・授乳中の使用は避ける。
医薬用途としての効果は未確定。
抗菌・抗真菌・抗酸化作用が in vitro では確認されているが、ヒトでの臨床研究は不足。


📌 まとめ:
スペインオレガノオイル(Spanish Origanum Oil)は、食品添加物や香料としての使用は安全とされているが、医薬用途としての使用には十分な研究が不足している。カルバクロールを主成分とし、抗菌・抗真菌・抗酸化作用が in vitro で確認されているが、人体への影響については慎重に評価する必要がある。

References

See Monograph References


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