スペインニセアカシア(Spanish Broom)

投稿者 :リンクプロ on

学名: Spartium junceum

科: マメ科(Fabaceae/Leguminosae)

注意:

  • ブッチャーズブルーム(Butcher’s Broom)やエニシダ(Scotch Broom)とは異なる植物。
  • 有毒成分を含むため、誤食に注意。

🌿 概要

  • 高さ約4メートルまで成長する低木。
  • 大きな黄色い花と細長い種子の鞘が特徴。
  • 地中海地域原産だが、類似した気候の国々に帰化している。(95934, 95935)
  • 花のエキス(Genet absolute)は、香料や医薬品として使用される。

🛡 安全性

「安全」(LIKELY SAFE):

  • 花が食品に使用される場合は安全。(米国ではGRAS(一般に安全と認識される)として承認済み)(4912)

「医薬レベルの使用に関する十分な情報がない」

  • 大量摂取時の影響が不明のため、医療目的での使用には注意が必要。

妊娠・授乳中

🚫 「可能性として危険」(POSSIBLY UNSAFE):

  • スパルテイン(sparteine)というアルカロイドを含み、月経を刺激する作用があるため、妊娠中は避けるべき。(19)

⚠ 副作用

  • 花や種子を直接摂取した場合、以下の症状が報告されている。(95934, 95935)
    • 嘔吐
    • 腹痛
    • 鎮静(強い眠気)
    • 頭痛
    • めまい
    • 興奮・不安感
    • 手足の震え

📌 食品レベルでの使用では副作用の報告なし。(4912)


💊 有効性

🔹 効果が不明(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)

緩下剤(Laxative)
利尿剤(Diuretic)
催吐剤(Emetic)(嘔吐を誘発)
強心剤(Cardiotonic)(心臓の機能を高める)

📌 医学的に有効性を確認するための十分な研究がない。


📏 投与量・摂取方法

  • 典型的な摂取量は確立されていない。
  • 食品添加物として使用される場合は安全とされるが、医薬品としての使用には注意。

🔬 作用機序

🌿 主な成分

  • キノリジジンアルカロイド(Quinolizidine Alkaloids)
    • シチシン(Cytisine)
    • スパルテイン(Sparteine)
    • イソスパルテイン(Isosparteine)
  • サポニン(Saponins)
  • レクチン(Lectins)

心臓への影響

  • スパルテインはキニジン様作用を持ち、心筋の興奮性や伝導性を低下させる。(95935)

神経筋への影響

  • シチシンとスパルテインは、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に作用。
    • 最初は受容体を刺激するが、最終的には麻痺を引き起こす。(95935)
    • シチシンはα4β2型ニコチン受容体の部分作動薬であり、ニコチンに類似した作用を持つ。
    • スパルテインはα3β4型ニコチン受容体の拮抗薬として作用する。(95934)

🩺 相互作用

💊 医薬品との相互作用

  • 特に知られている相互作用はなし。

🌿 サプリメント・ハーブとの相互作用

  • 特に知られている相互作用はなし。

💉 検査値への影響

  • 特に報告なし。

🚨 注意点

食品レベルでの使用は安全。
花のエキス(Genet absolute)は香料として使用可能。
妊娠中・授乳中は避けるべき。
種子や花を直接摂取すると、中枢神経や心臓に影響を及ぼす可能性あり。
医薬用途としての効果は未確定。


📌 まとめ:
スペインニセアカシア(Spanish Broom)は、食品や香料としての使用は安全だが、種子や花の直接摂取には注意が必要。アルカロイド成分による神経・心臓への影響があるため、特に妊娠中・授乳中の使用は避けるべき。

References

See Monograph References

 


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