センナ(Senna)
投稿者 :リンクプロ on
学名
- Senna alexandrina(シノニム:Cassia acutifolia, Cassia angustifolia)
科名
Fabaceae/Leguminosae(マメ科)
概要
センナは、センナアレキサンドリナ(Senna alexandrina)の葉や果実(莢:さや)を利用する植物です。
- アフリカ、インド、アジア原産 で、1m程度の高さに成長する低木。
- 便秘薬(緩下剤)として広く使用されており、FDA(米国食品医薬品局)によって非処方薬(OTC)として承認されている。
- 大腸の運動を刺激し、排便を促す効果 がある。
- 体重減少やデトックス目的で使用されることがあるが、安全性は確認されていない。
安全性(Safety)
おそらく安全(LIKELY SAFE)
- 適切な用量で短期間(1週間以内)使用する場合、安全とされている。
- FDA承認の非処方薬(OTC) (8424,15429,40086,92711)。
おそらく危険(POSSIBLY UNSAFE)
-
長期間(2週間以上)または高用量の使用
- 腸の正常な動きが低下し、下剤依存になる可能性がある。
- 肝臓毒性のリスクがある (13057,13095)。
子供の使用について
- おそらく安全(LIKELY SAFE):2歳以上の子供に短期間使用する場合(FDA承認済み)。
- おそらく危険(POSSIBLY UNSAFE):長期間の使用または高用量摂取。
妊娠・授乳中の使用
- 妊娠中(POSSIBLY SAFE):短期間で適切な用量なら安全とされる。
- 妊娠中(POSSIBLY UNSAFE):長期間・高用量の使用は避けるべき(下剤依存・肝毒性リスク)。
- 授乳中(POSSIBLY SAFE):母乳を通じて乳児に影響を与えないとされる。
副作用(Adverse Effects)
一般的な副作用(経口摂取時)
- 腹痛・不快感
- けいれん・下痢
- 鼓腸(ガスの発生)
- 吐き気・便意の急増
- 尿の変色(無害な副作用)
まれな重篤な副作用
- 皮膚発疹(まれ)
効果(有効性)
効果がある可能性が高い(LIKELY EFFECTIVE)
便秘(Constipation)
- 短期間の便秘治療に有効(FDA承認) (92719)。
効果がある可能性がある(POSSIBLY EFFECTIVE)
大腸検査前の腸内洗浄(Bowel preparation)
- 大腸内視鏡検査前の腸内洗浄に有効かもしれない。
- ただし、他の方法と比べた研究が不足している。
→ その他の用途については、十分な研究データがない。
用法・用量(Dosing & Administration)
成人(経口摂取)
- 一般的な用量:センノシド(sennosides)として 17.2 mg、1日1~2回。
- 最大用量:センノシド 34.4 mg、1日2回まで (92719)。
子供(経口摂取)
- 12歳以上:17.2 mg(最大34.4 mg、1日2回)。
- 6-11歳:8.6 mg(最大17.2 mg、1日2回)。
- 2-5歳:4.3 mg(最大8.6 mg、1日2回)。
- 2歳未満には推奨されない。
相互作用(薬・サプリメント・疾患との関係)
薬との相互作用
-
ジゴキシン(Lanoxin)
- センナの使用でカリウムが減少し、ジゴキシンの副作用リスクが増加する可能性あり。
- 注意が必要(中等度リスク)。
-
利尿剤(Diuretics)
- カリウム欠乏(低カリウム血症)を引き起こす可能性あり。
- 注意が必要(中等度リスク)。
-
エストロゲン(経口避妊薬を含む)
- センナの作用により、エストロゲンの吸収が妨げられる可能性あり。
-
刺激性下剤(Stimulant Laxatives)
- センナと併用すると、水分・電解質喪失のリスクが増加する可能性あり。
-
ワルファリン(Coumadin)
- 過剰使用でワルファリンの効果を増加させる可能性があり、注意が必要。
サプリメントとの相互作用
-
ホーステール(Horsetail)
- センナの下剤作用がカリウム欠乏を引き起こす可能性あり。
-
リコリス(Licorice)
- センナと組み合わせると、低カリウム血症のリスクが高まる可能性あり。
薬理作用(Mechanism of Action)
主要な有効成分
-
センノシド(Sennosides)
- 腸内細菌によって活性化され、腸の運動を促進する。
- 6〜10時間後に作用を示し、排便を促す。
胃腸への作用(Gastrointestinal effects)
- 大腸の神経叢を刺激し、腸の運動を増加させる。
- プロスタグランジンやセロトニンの調整による可能性もある。
長期使用の影響
- 大腸粘膜に毒性を及ぼし、炎症や細胞死を引き起こす可能性あり。
- 大腸癌のリスクを高めるという証拠はない (6138,15425)。
まとめ
✅ センナは短期間(1週間以内)の便秘治療に有効で、FDA承認済みのOTC薬である。
✅ センノシドが腸内細菌によって活性化され、大腸の運動を促進する。
⚠ 長期間の使用は、下剤依存・カリウム欠乏・肝毒性のリスクがある。
⚠ 妊娠中・授乳中は短期間なら安全とされるが、長期使用は避けるべき。
⚠ ジゴキシン・利尿剤・ワルファリンなどと相互作用の可能性がある。
→ 便秘の対処として短期間使用するのは問題ないが、長期使用は避けるべき。
References
See Monograph References
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- タグ: サプリメント