タピオカ(Tapioca)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Manihot esculenta

科名

トウダイグサ科(Euphorbiaceae)


⚠ 注意事項

  • タピオカはキャッサバ(Cassava)から得られるデンプンですが、キャッサバそのものとは異なります。

概要

タピオカはキャッサバの根から抽出されたデンプンであり、食品のとろみ付けやデンプン源として使用されます。
一般的に以下の食品に含まれます:

  • 麺類
  • プリン
  • パン
  • その他の食品製品(92950)

安全性

「おそらく安全」(LIKELY SAFE)

  • 食品に含まれる通常の量で経口摂取する場合、安全と考えられる(92944, 92946)。
  • 米国では「一般に安全と認められる(GRAS)」ステータスを取得(92949)。

「おそらく安全」(POSSIBLY SAFE)

  • 医薬品として短期間使用する場合、安全と考えられる可能性がある。
  • 特定の形態(タピオカマルトデキストリン、タピオカレジスタントマルトデキストリン)は、以下の用量で安全性が確認されている。
    • タピオカマルトデキストリン:最大25g/日(12週間まで)
    • タピオカレジスタントマルトデキストリン:最大7.7g/日(12週間まで)
    • 単回摂取量が50gまでの場合も安全とされる(108894, 108895)。

妊娠・授乳中の使用

「おそらく安全」(LIKELY SAFE)

  • 食品に含まれる通常の量で経口摂取する場合、安全と考えられる(92944, 92946)。
  • しかし、医薬品量での使用については安全性に関する十分な情報がないため、避けるべき。

副作用

  • 経口摂取では一般的に良好に耐容される。
  • 最も一般的な副作用:
    • 腹痛(Abdominal pain)
    • 膨満感(Bloating)
    • 鼓腸(Flatulence)
    • 嘔吐(Vomiting)

有効性

「信頼できる十分な証拠がない」(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE TO RATE)

  • 耐糖能障害(糖尿病予備軍)(Impaired glucose tolerance / prediabetes)
    • タピオカデンプンが糖尿病予備軍の患者に有益かどうかは不明。
    • さらなる研究が必要(92946, 108894, 108895)。

用量・投与方法

  • 成人の一般的な投与量は不明。

標準化と製剤化

  • タピオカの標準化に関する十分な情報は不明。

相互作用

薬との相互作用

  • 特に知られている相互作用はなし。

サプリメントとの相互作用

  • 特に知られている相互作用はなし。

疾患との相互作用

  • 特に知られている相互作用はなし。

検査値との相互作用

  • 特に知られている相互作用はなし。

過剰摂取

  • 過剰摂取時の症状や治療に関する十分な情報は不明。

薬物動態(ファーマコキネティクス)

  • 十分な情報は不明。

作用機序(メカニズム)

製造プロセス

タピオカは以下の工程で製造される:

  1. キャッサバの根を調理する
  2. 乾燥させる
  3. 粉砕・ふるい分けを行う
  4. 再び調理して完成(92947)

主成分

  • デンプン(Starch)
  • 食物繊維(Fiber)
  • カルシウム(Calcium)
  • カリウム(Potassium)(92950)

抗糖尿病作用(Antidiabetic activity)

  • 食後血糖値の上昇を抑える可能性がある。
  • 臨床試験では、以下の成分を含むパンを摂取すると食後血糖値が低下することが示されている。
    • タピオカデンプン(Tapioca starch)
    • タピオカマルトデキストリン(Tapioca maltodextrin)
    • タピオカレジスタントマルトデキストリン(Tapioca resistant maltodextrin)(92946, 108894, 108895)。
  • 高度架橋(cross-linked)タピオカデンプンは、未加工タピオカデンプンよりも血糖値の上昇を抑制する(92945)。
  • 一般的に「生デンプン(Raw starch)」は「加熱デンプン(Cooked starch)」よりも血糖値の上昇が緩やかである(92947)。

結論

  • タピオカは食品の形で摂取する場合、安全と考えられる。
  • 医薬品レベルでの使用も短期間であれば安全性が確認されているが、長期間の影響は不明。
  • 副作用は少ないが、腹痛や膨満感が生じることがある。
  • 糖尿病予備軍や耐糖能障害に対する有益性は示唆されているが、さらなる研究が必要。
  • 薬やサプリメントとの相互作用は特に報告されていない。

References

See Monograph References


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