テアフラビン(Theaflavin)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Theaflavin(テアフラビン)


⚠ 注意事項

テアフラビンは以下の成分とは異なるため、混同しないように注意してください。

  • ブラックティー(Black Tea)
  • グリーンティー(Green Tea)
  • ウーロン茶(Oolong Tea)

概要

テアフラビンは、紅茶の発酵過程で生成されるポリフェノールの一種です。

  • 紅茶の色と風味に重要な役割を果たす赤みがかった黄色のポリフェノール色素を含む。
  • カテキンが酸化されることで形成される化合物群の総称。

主な用途

経口摂取により、以下の効果が期待されています。

  1. 高脂血症(Hyperlipidemia)
  2. 心血管疾患(Cardiovascular Disease, CVD)
  3. 肥満(Obesity)
  4. がん(Cancer)

安全性

✅ 安全性が高い(LIKELY SAFE)

  • 紅茶として一般的に摂取される量では安全。
  • 紅茶1杯(約240ml)には約8.8mgのテアフラビンが含まれる。

✅ 可能性として安全(POSSIBLY SAFE)

  • 短期間の医療目的での使用は安全と考えられる。
  • 100mg/日を10週間摂取した臨床研究で安全性が確認されている。
  • テアフラビンを強化した緑茶エキス(75mg/日)を12週間摂取しても問題なし。

❌ 妊娠・授乳中

  • 安全性に関する十分なデータがないため、使用を避けるべき。

副作用

  • 臨床試験では、経口摂取による副作用の報告はない。
  • 安全性の評価は限られており、長期使用の影響は不明。

効果(科学的根拠の不十分なもの)

以下の症状や疾患に対する有効性が示唆されているが、さらなる研究が必要です。

✅ 高脂血症(Hyperlipidemia)

  • 軽度から中程度の未治療の高脂血症を持つ中国人成人を対象とした研究で、以下の結果が報告された。
    • テアフラビン強化緑茶エキス(75mg/日、12週間)摂取で
      • 総コレステロールが11%減少
      • LDL(悪玉)コレステロールが16%減少
  • さらなるエビデンスが必要。

使用方法と投与量

成人

  • 経口摂取:
    • 研究データが限られているため、標準的な用量は不明。
    • 臨床試験では、100mg/日を10週間または75mg/日を12週間摂取した。

標準化と製剤化

  • テアフラビンの標準化に関する十分な情報はない。

相互作用

薬との相互作用

  1. 抗糖尿病薬(Antidiabetes Drugs)

    • 相互作用レーティング:中程度(Moderate)
    • テアフラビンは動物実験で空腹時血糖値を低下させ、メトホルミン(糖尿病治療薬)と同様の効果を示した。
    • 理論的には、抗糖尿病薬と併用すると低血糖リスクが高まる可能性があるため、注意が必要。
  2. 有機アニオントランスポーターポリペプチド(OATP)基質薬

    • 相互作用レーティング:中程度(Moderate)
    • テアフラビンは腸や肝臓で薬物の吸収を担うOATP2B1を阻害する。
    • 理論的には、OATP2B1の基質となる薬剤の吸収を妨げる可能性があるため、注意が必要。

サプリメントとの相互作用

  • 低血糖を引き起こす可能性のあるハーブやサプリメントとの併用で、低血糖のリスクが高まる可能性がある。
    • 例:デビルズクロー、フェヌグリーク、ガーリック、グアガム、セイヨウトチノキ、オタネニンジン、サイリウム、シベリアニンジン

薬物動態(ファーマコキネティクス)

吸収

  • 紅茶30mlを口内に2〜5分保持すると、テアフラビンが唾液中に長時間残留。
  • 半減期は49〜76分。

分布

  • 動物研究では、腸組織、肝臓、前立腺に蓄積されることが確認されている。
  • ヒトでは、前立腺組織に検出された。

代謝

  • テアフラビンガレートは唾液中のエステラーゼ酵素によって加水分解される。

作用機序(メカニズム)

基本的な作用

  • テアフラビンは紅茶の発酵プロセスで生成されるポリフェノール。
  • 酸化されたカテキンから生成される。
  • 紅茶の総フラボノイド含有量の10〜30%を占める。

抗がん作用

  • 肝臓がん、胃がん、白血病細胞に対する抗増殖効果が示唆されている。
  • HER2陽性乳がんに対する効果が期待されている。

抗糖尿病作用

  • 糖尿病モデル動物で空腹時血糖値を低下させ、インスリン感受性を向上。
  • 腸内α-グルコシダーゼを阻害し、糖の吸収を抑制。
  • 酸化ストレスの軽減により、糖代謝を正常化する可能性。

抗脂血症作用

  • コレステロール合成酵素を阻害し、LDLコレステロールを減少させる可能性。
  • 脂肪の腸管吸収を抑え、糞便中への排泄を促進。
  • 肝臓のLDL受容体を増加させる。

抗炎症作用

  • 脳梗塞モデル動物で炎症マーカーを抑制し、脳虚血のダメージを軽減。

抗ウイルス作用

  • HIV、SARSウイルス、インフルエンザA・Bウイルスの複製を阻害する可能性。

まとめ

テアフラビンは紅茶に含まれるポリフェノールで、心血管疾患や高脂血症に効果が期待される。
短期間の使用は安全だが、長期使用のデータは不足している。
抗糖尿病、抗脂血症、抗炎症、抗がん作用の可能性があるが、さらなる研究が必要。


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