学名
Melaleuca alternifolia(メラレウカ・アルテルニフォリア)
科名
フトモモ科(Myrtaceae)
注意事項
ティーツリーオイルは、カユプテオイル(Cajeput Oil)やニアウリオイル(Niauli Oil)など、他のメラレウカ属の植物のオイルとは異なります。また、以下のような**「ティー」と名のつく植物や飲み物**とも別物です。
- ブラックティー(Black Tea)
- ボグラブラドールティー(Bog Labrador Tea)
- グリーンティー(Green Tea)
- マーシュラブラドールティー(Marsh Labrador Tea)
- モルモンティー(Mormon Tea)
- ニュージャージーティー(New Jersey Tea)
- ウーロン茶(Oolong Tea)
- プーアル茶(Pu-erh Tea)
概要
ティーツリー(Tea Tree)は、オーストラリア南東部の湿地帯に生育する木です。
ティーツリーの葉から得られるオイルは、何世紀にもわたって薬用として使用されてきました。
- 1930年代から商業化され、主に皮膚のトラブルに対する外用薬として使用されています。
- ティーツリーオイルは、ティーツリーの葉を水蒸気蒸留して抽出されます。
- ナツメグに似た香りを持っています。
安全性
✅ 可能性として安全(POSSIBLY SAFE)
-
適切に外用する場合(最大12週間までの使用が確認されている)
❌ 口から摂取すると危険(LIKELY UNSAFE)
-
経口摂取すると深刻な毒性を引き起こす可能性がある。
✅ 子どもへの使用
-
適切に外用すれば、おそらく安全。(5%濃度のティーツリーオイルの安全性が確認されている)
- 経口摂取は危険。誤飲すると中毒を引き起こす可能性がある。
✅ 妊娠・授乳期
- 適切に外用すれば、おそらく安全。
- 経口摂取は危険。毒性のリスクがある。
副作用
一般的な副作用
口から摂取すると重大な毒性を引き起こすため、経口使用は推奨されません。
外用では、比較的安全とされますが、副作用が起こることがあります。
最も一般的な副作用(外用時)
- アレルギー反応
- ヒリヒリ感
- 乾燥・刺激・かゆみ・発赤
- 皮膚の灼熱感
効果(科学的根拠あり)
💡 ある程度の効果が確認されているもの
-
ニキビ(Acne)
- 大人や思春期のニキビに対して、ティーツリーオイルの外用が有効であるとする研究がある。
-
爪白癬(Onychomycosis)
- 純粋なティーツリーオイルは、爪の水虫(爪白癬)に効果がある可能性がある。
- ただし、薄めたオイルの効果は不明。
-
水虫(Tinea pedis)
- ティーツリーオイル 25〜50% の外用が水虫(足白癬)に有効な可能性がある。
- ただし、通常の治療薬ほどの効果は期待できない。
効果が不明または十分な研究がないもの
ティーツリーオイルに関心があるものの、科学的に十分な証拠がない、または効果が不明な疾患:
- 細菌性膣炎(Bacterial vaginosis)
- 眼瞼炎(Blepharitis)
- 口唇炎(Cheilitis)
- 接触性皮膚炎(Contact dermatitis)
- フケ(Dandruff)
- 歯垢(Dental plaque)
- 口臭(Halitosis)
- 痔(Hemorrhoids)
- 口唇ヘルペス(Herpes labialis)
- シラミ(Lice)
- アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis)
- 疥癬(Scabies)
- 皮脂性皮膚炎(Seborrheic dermatitis)
- うがいによる咽頭炎(Pharyngitis)
これらの用途にはさらなる研究が必要です。
使用方法と濃度
- 外用:5%〜50% 濃度のオイルやジェル、シャンプー、ボディウォッシュ、マウスリンス、スプレー、クリームなどの形で使用される。
- 未希釈のティーツリーオイルも使用例があるが、刺激が強いため注意が必要。
薬物やサプリメントとの相互作用
過剰摂取(オーバードーズ)
症状
-
成人の場合:
- 混乱
- 運動障害(歩行不能、錯乱)
- 昏睡
- 最小 2.5 mL の摂取で白血球の増加が報告されている。
- 120 mL 摂取したケースでは昏睡状態になった。
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子どもの場合:
- 10 mL 未満の摂取でも、運動障害、昏睡、呼吸不全が報告されている。
治療
作用機序(メカニズム)
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抗菌作用
- ティーツリーオイルの主成分「テルピネン-4-オール」が、多くの細菌や真菌に対して抗菌作用を持つ。
- 黄色ブドウ球菌(MRSA含む)、大腸菌、プロピオニバクテリウム・アクネス(ニキビ菌)に対しても効果がある。
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抗炎症作用
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抗真菌作用
- カンジダ菌、白癬菌(Tinea菌)、マラセチア菌に効果がある。
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抗ウイルス作用
- 単純ヘルペスウイルス(HSV)に対する作用が確認されている。
まとめ
✅ ティーツリーオイルは、外用では比較的安全だが、経口摂取は危険。
✅ ニキビ・爪白癬・水虫にはある程度の効果が確認されている。
✅ 未希釈の使用は刺激が強いため、注意が必要。
✅ 妊娠・授乳中でも外用なら安全とされるが、経口摂取は厳禁。
✅ 過剰摂取すると神経系に深刻な影響を及ぼすため、誤飲には注意が必要。