トラガカント (Tragacanth)
投稿者 :リンクプロ on
学名: Astragalus gummifer
科名: マメ科(Fabaceae/Leguminosae)
注意: トラガカントは、アストラガルス(Astragalus)とは異なるため混同しないように注意してください。
概要
トラガカントは低木で、主にトルコ、シリア、レバノン、イラン、イラクなどで自生しています。
樹皮に切り込みを入れると滲み出る乳状の樹脂(ガム)が、薬用として使用されます。
警告
・トラガカントはカラヤガム(Karaya gum)で偽和されることがよくあるので注意が必要です。
・トラガカントを使用する際は、十分な水分と一緒に摂取しないと、食道閉塞や腸閉塞を引き起こす可能性があります。
安全性
おそらく安全:
・食品に含まれる量を経口摂取する場合は安全と考えられています。(米国ではGRAS(一般に安全と認められる物質)に指定)
・化粧品に含まれる量を皮膚に塗布する場合も安全と考えられています。
おそらく安全:
・薬用量を経口摂取する場合も安全と考えられます。ただし、水分不足で摂取すると、食道閉塞や腸閉塞の恐れがあります。
妊娠・授乳中:
・安全性に関する十分な情報がないため、食品以上の量は避けるべきです。
副作用
一般的には良好に耐えられるとされていますが、以下の**重篤な副作用(まれ)**があります。
・腸閉塞
・食道閉塞
※特に、水分不足で摂取した場合に起こりやすいです。
効能・効果(有効性)
【信頼できる十分な情報なし】
・便秘
・下痢
これらの効果については、さらなる研究が必要です。
用法・用量
成人・経口摂取:
・研究が限られているため、標準的な用量は不明です。
・理論的には、食事と一緒に摂ると栄養素の吸収を妨げる可能性があります(トラガカントが水溶性食物繊維を含むため)。
水分補給を十分に行うことが重要です。
成分・製品
・標準化や製剤に関する信頼できる情報は不明。
相互作用
薬剤:
・経口薬:
吸収が阻害される可能性があります。
サプリメント:
・特になし
疾患:
・キラヤアレルギー(Quillaia Allergy):
理論上、トラガカントでもアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
検査:
・特になし
過剰摂取
・過剰摂取時の症状や治療については信頼できる情報が不足しています。
薬理作用・効果メカニズム
【有効成分】
・樹脂(ガム)部分が使用されます。
・水溶性多糖類トラガカンチン、水不溶性多糖類バソリンを含みます。
- トラガカンチン: 水に溶けて粘性のあるコロイド溶液を形成
- バソリン: 水に入れると膨張してゲル状になる
※植物性ガムの中でも最も粘性が高いとされています。
【主な作用】
◎抗菌作用:
・トラガカンチンにハンタウイルス感染予防効果の可能性が示唆されています。
・ただし、保存料があっても細菌分解されやすい性質があります。
◎抗腫瘍作用:
・民間療法では、目、肝臓、喉頭がんに使われてきました。
・試験管レベルではがん細胞増殖抑制作用が確認されています。
◎歯科領域:
・粘着性があるため、入れ歯安定剤として使われることがあります。
◎消化器系:
・腸内で膨張して腸壁を刺激し、ぜん動運動を促進します。
・便の量を増やし、腸の通過時間を短縮します。
◎代謝作用:
・糖尿病患者で、糖質と一緒に摂取すると血糖値上昇を抑える可能性があります。
・ただし、コレステロール、トリグリセリド、リン脂質には影響を与えないとされています。他の水溶性食物繊維とは異なる特性です。
まとめ
・トルコ、シリア、イランなどに自生する低木から採取される樹脂(ガム)が利用される
・食品や化粧品レベルでの使用は安全
・水分不足で摂取すると食道閉塞や腸閉塞のリスクあり
・薬剤や栄養素の吸収を妨げる可能性もあるため注意
・妊娠・授乳中は食品以上の摂取は避けるべき
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- タグ: サプリメント