ホワイトサンダルウッド(White Sandalwood)
投稿者 :リンクプロ on
学名
Santalum album
科名
ビャクダン科 (Santalaceae)
注意事項
レッドサンダルウッドとは別種であり、異なる科に属するため、混同しないよう注意。
概要
ホワイトサンダルウッドはインド原産の常緑樹であり、香水の原料としての精油が高く評価されている。しかし、価格が高いため偽物が出回ることが多い(108737)。木材や木の精油はアーユルヴェーダ医学でも使用されてきた(73081,99289)。
オーストラリアやハワイでは**関連種(Santalum spicatum, Santalum ellipticum)**が精油のために栽培されているが、薬理活性化合物の含有量はインド産のものよりも低い(108737)。
安全性
おそらく安全(LIKELY SAFE)
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経口摂取(通常の食品量):アメリカでは「一般的に安全と認められる(GRAS)」ステータスを持つ(4912)。
おそらく安全ではない(POSSIBLY UNSAFE)
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長期間(6週間以上)の経口摂取:腎臓障害のリスクが報告されている(12,19)。
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吸入・外用:化粧品に含まれる量以上の使用については安全性に関する信頼できる情報が不足している。
妊娠中の使用
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おそらく安全ではない(LIKELY UNSAFE):経口摂取すると流産を引き起こす可能性があるため、使用を避ける(19)。
授乳中の使用
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信頼できる十分な情報がないため、食品量を超える使用は避ける。
副作用
一般的な副作用
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経口摂取:かゆみ、吐き気(99289)。
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外用:接触性皮膚炎(99289)。
重篤な副作用(まれ)
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急性腎障害(Acute Kidney Injury)(19)。
有効性
信頼できる十分な証拠はない(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE to RATE)。
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狭心症(Angina):舌下投与されたホワイトサンダルウッドが他の成分と併用された研究はあるが、単独での効果は不明。
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不安(Anxiety):吸入による使用が注目されているが、臨床的な有効性を示す十分な証拠がない。
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気管支炎(Bronchitis)、風邪(Common Cold)、咳(Cough)、淋病(Gonorrhea)、頭痛(Headache)、脳卒中(Stroke)、尿路感染症(UTI)、**膣炎(Vaginitis)**などへの使用が期待されているが、有効性の証拠が不足している。
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記憶力向上(Memory)、集中力向上(Mental Alertness)、**ストレス軽減(Stress)**の効果についても不明。
さらなる研究が必要である。
用法・用量
成人の使用方法
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経口摂取・吸入:研究が限られており、典型的な用量は確立されていない。
標準化と製剤
ホワイトサンダルウッド精油は偽物や不純物が多く含まれている可能性がある。
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**国際規格(ISO 3518-2002)**では、
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α-サンタロール 41~54%
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β-サンタロール 16~24%
の含有が求められている。
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市場調査では、6製品のうち1製品のみがISO基準を満たしていた。その他の製品は、
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Amyris balsamifera(バルサムトーチウッド、西インドサンダルウッド)由来の油
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合成混合物(ベンジルベンゾエート、合成アルコール類)
などが含まれていた(108737)。
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薬物との相互作用
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リチウム(LITHIUM)
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ホワイトサンダルウッドがリチウムの排泄を減少させ、血中濃度を上昇させる可能性があるため、注意が必要(12)。
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疾患との相互作用
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腎疾患(Kidney Disease):長期間の使用により腎障害のリスクがあるため、注意が必要。
作用機序
主な成分
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モノテルペノイド、サポニン、プロアントシアニジン、フラボノイド、タンニン(99289)。
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主要な活性成分はα-サンタロール、β-サンタロール(11,73080)。
主な作用
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抗炎症作用:COX-1、COX-2、12-リポキシゲナーゼ経路の抑制により炎症を抑える(108737)。
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抗菌作用:グラム陽性菌(MRSA, VRE)や真菌に対する抗菌活性(99289,108737)。
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抗不安作用:吸入によりストレス軽減やリラックス効果を示す可能性(99291)。
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抗がん作用:皮膚がん細胞の増殖抑制、G2/M期での細胞周期停止、アポトーシス誘導(108737)。
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鎮痙作用:伝統的に咳や気管支炎の治療に用いられ、実験研究では鎮痙作用が示唆されている(2,11)。
まとめ
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ホワイトサンダルウッドはインド原産で、香水や伝統医学に使用される。
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長期間の経口摂取は腎障害のリスクがあるため注意が必要。
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抗炎症、抗菌、抗不安、抗がん作用が期待されるが、さらなる研究が必要。
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