学名
Veratrum album(シノニム:Veratrum lobelianum)
科名
シュロソウ科(Melanthiaceae)またはユリ科(Liliaceae)
📌 注意:以下の植物と混同しないように注意が必要
- アメリカンヘレボア(American Hellebore)
- ブラックヘレボア(Black Hellebore)
- 「False Hellebore」とも呼ばれるフェザントアイ(Pheasant's Eye)
概要
✅ ホワイトヘレボアは多年生植物で、黄緑色の花を咲かせ、茎の高さは最大5フィート(約1.5m)に達する (95892)。
✅ ホワイトヘレボアの原植物は治療目的では使用されず (13)、主にホメオパシーの希釈製剤として使用される (18)。
✅ しばしば「ゲンチアナ・ルテア(Gentiana lutea)」と間違われることがあるが、ゲンチアナはホワイトヘレボアほど毒性が強くない (95892)。
安全性
🚨 「おそらく危険(LIKELY UNSAFE)」
📌 経口摂取時:全草に強い毒性があり、非常に危険 (6)。
- 10~20mgのアルカロイド(1~2gの根茎/根)の摂取で致死量に達する可能性がある (6,18)。
📌 外用時:皮膚からも有毒アルカロイドが吸収されるため、危険 (6,18)。
📌 妊娠中・授乳中:「おそらく危険(LIKELY UNSAFE)」
- 経口・外用のいずれにおいても催奇形性(胎児への有害作用)のリスクがあるため、使用を避けるべき (6)。
副作用
🚨 経口摂取および外用のいずれでも、ホワイトヘレボアは一般的に危険とされ、治療上の利益よりも毒性のリスクがはるかに大きい。
✅ 最も一般的な副作用(経口摂取時)
- 腹痛
- 視界のぼやけ(ぼやけた視覚)
- 徐脈(心拍の遅れ)
- 混乱(意識の低下)
- 頭痛
- 低血圧
- 吐き気
- 筋力低下
- 嘔吐
✅ 外用時の副作用
🚨 重大な副作用(稀だが重篤なケース)
- 不整脈
- 失明
- 胃の損傷(胃粘膜の侵食)
- 意識喪失
- 麻痺
- 呼吸抑制
- 発作(けいれん)
- 重度の徐脈(極端な心拍低下)
- 重度の低血圧(危険な血圧低下)
- ショック状態
有効性
❓ 「証拠不十分(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)」
📌 ホワイトヘレボアの医学的有効性についての信頼できる情報はほとんどない。
📌 毒性が強いため、治療目的での使用は推奨されない。
用量と使用方法
成人の使用量(伝統的な使用法)
🚨 研究が限られており、推奨される用量はない。
🚨 治療に用いること自体が推奨されていない。
標準化と製剤化
🚨 ホワイトヘレボアの標準化に関する信頼できる情報はない。
相互作用
🚨 薬との相互作用
🚨 サプリメントとの相互作用
🚨 疾患との相互作用
🚨 検査値との相互作用
過剰摂取(中毒症状と治療)
中毒の症状
📌 摂取後15~30分で発症することが多いが、場合によっては4時間後に発症することもある (553, 95893, 101431, 109467)。
✅ 初期症状
✅ 重症化すると現れる症状
- 不整脈
- 徐脈
- 頭痛
- 低血圧
- 筋力低下
- 麻痺
- 異常感覚(感覚異常)
- 呼吸抑制
- 発作
- 発汗
- 意識喪失
中毒の治療方法
📌 ホワイトヘレボアの過剰摂取の治療には、以下の対策が用いられる (95892, 101431, 109467)。
1️⃣ 胃洗浄(ガストリックラバージ)と活性炭投与
2️⃣ 利尿促進(尿の排出を増やす治療)
3️⃣ 低血圧対策(アトロピンや生理食塩水の点滴投与)
4️⃣ 電解質補正
5️⃣ 抗嘔吐薬の投与
6️⃣ 心臓を保護するための治療
作用機序(Mechanism of Action)
✅ 利用可能な部分
✅ 主要成分
- プロトベラトリンA(Protoveratirine A)
- プロトベラトリンB(Protoveratirine B)
- ジェルビン(Jervine)
- シュードジェルビン(Pseudojervine)
- ベラトラミン(Veratramine)
① 心血管系への影響
- ホワイトヘレボアは、徐脈(心拍の遅れ)、低血圧、不整脈などを引き起こす (18, 101431, 95892)。
- 主要成分のプロトベラトリンA/Bはナトリウムチャネルの不活性化を阻害し、心臓の興奮性細胞に麻痺効果をもたらす。
② 神経系への影響
- 発作、麻痺、異常感覚を引き起こすことがある。
- 主要成分のプロトベラトリンA/Bは感覚神経を刺激する神経毒である (13, 18, 101431, 95892)。
まとめ
✅ ホワイトヘレボアは強い毒性を持ち、全草が有害。
🚨 安全性が確立されておらず、医学的な利用は推奨されない。
🚨 妊娠・授乳中の使用は禁止。
🚨 中毒症状が深刻で、摂取後迅速な治療が必要。
References