ホワイトホアハウンド(White Horehound)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Marrubium vulgare

科名

シソ科(Lamiaceae/Labiatae)

📌 注意:以下の植物と混同しないように注意が必要

  • ブラックホアハウンド(Black Horehound)

概要

ホワイトホアハウンドは、ユーラシアおよび北アフリカ原産の植物で、呼吸器感染症の治療に長い歴史がある (98491)。


一般的な用途

経口(内服)での使用

  • 糖尿病
  • 食欲不振
  • 咳、気管支炎
  • 気道の粘膜炎症、百日咳、喘息、結核
  • 消化不良、膨満感、鼓腸
  • 下痢、黄疸、衰弱
  • 肝臓・胆嚢の不調
  • 月経痛の緩和
  • 下剤、駆虫薬、利尿剤、発汗促進

外用(皮膚への適用)での使用

  • 皮膚の損傷、潰瘍、創傷

食品・製造業での使用

  • 食品や飲料の風味付け
  • 咳止めシロップやトローチの去痰剤成分

安全性

「おそらく安全(LIKELY SAFE)」

  • 食品に含まれる量での摂取は安全と考えられ、米国では「一般的に安全(GRAS)」と認識されている (4912)。

「おそらく安全(POSSIBLY SAFE)」

  • 適切に使用された場合、経口摂取はおそらく安全 (2,12)。

🚨 「おそらく危険(POSSIBLY UNSAFE)」

  • 大量摂取すると強い下剤効果がある可能性がある (4,12)。

📌 外用使用の安全性に関する十分な情報はない。

📌 妊娠中:「おそらく危険(LIKELY UNSAFE)」

  • 経口摂取により流産を引き起こす可能性がある (19)。
  • 月経促進作用や子宮収縮を引き起こす可能性がある (12)。
  • 外用の安全性に関する十分な情報がないため、使用を避けるべき。

📌 授乳中:安全性に関する十分な情報がないため、食品レベル以上の摂取は避けるべき。


副作用

経口摂取による副作用

  • 吐き気
  • 口の渇き
  • 唾液分泌の増加
  • 食欲減退
  • めまい
  • 大量摂取で下剤効果(詳細な用量は不明) (4,12)。

外用使用による副作用

  • 植物の汁が皮膚に触れると、接触性皮膚炎を引き起こす可能性がある (4)。

有効性

「証拠不十分(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)」

📌 糖尿病

  • 予備的な臨床研究では、ホワイトホアハウンドのお茶を1日3回(21日間)摂取すると、空腹時血糖値が約0.64%低下することが示された (86369)。
  • ただし、他のハーブ(Guarumo、Cecropia obtusifolia)と比較すると、血糖値低下の効果は弱かった。
  • 単独での使用が臨床的に有意義かどうかは不明。

📌 その他の健康効果(百日咳、消化不良、喘息、黄疸など)についても、十分な研究がなく有効性は不明。


推奨摂取量(用法・用量)

成人

糖尿病のためのお茶の作り方

  • ホワイトホアハウンド粉末1gを沸騰したお湯1カップに加え、5分間抽出。
  • 1日3回、3週間摂取 (86369)。

📌 その他の用途については、適切な用量に関する信頼できる情報は不足している。


標準化と製剤化

📌 ホワイトホアハウンドの標準化に関する十分な情報はない。


相互作用

🚨 薬との相互作用
抗糖尿病薬との相互作用(注意が必要)

  • 動物研究ではホワイトホアハウンドが血糖値を低下させる可能性がある (23603,26149)。
  • ただし、臨床試験ではその効果が弱いため、薬との併用時に影響を与えるかは不明 (86369)。
  • 念のため、糖尿病治療薬の投与量を調整する必要がある可能性がある。
    例:グリメピリド(Amaryl)、グリベンクラミド(DiaBeta)、インスリン、メトホルミン(Glucophage)など。

降圧薬との相互作用(注意が必要)

  • 動物研究ではホワイトホアハウンドが血圧を下げる可能性がある (49408,86367)。
  • 降圧薬と併用すると、低血圧のリスクが高まる可能性がある。
    例:カプトプリル(Capoten)、エナラプリル(Vasotec)、ロサルタン(Cozaar)、アムロジピン(Norvasc)など。

🚨 サプリメントとの相互作用
血糖降下作用のあるハーブ・サプリメント

  • ホワイトホアハウンドの血糖降下作用は臨床的に有意ではない可能性があるが (86369)、他のハーブと併用するとリスクが増す可能性がある。
    例:デビルズクロー、フェヌグリーク、ガーリック、サイリウム、朝鮮人参など。

血圧降下作用のあるハーブ・サプリメント

  • ホワイトホアハウンドが血圧を下げる可能性があるため、他の降圧ハーブと併用すると低血圧のリスクが増す可能性がある (49408,86367)。
    例:アンドログラフィス、コエンザイムQ10、フィッシュオイル、L-アルギニン、ネトル、システインなど。

作用機序(Mechanism of Action)

主な成分

  • マルルビン(marrubiin)
  • 苦味ラクトン類
  • 揮発性オイル
  • タンニン、フェノール、フラボノイド

主な作用

  • 鎮痛作用、抗炎症作用、抗菌作用、抗酸化作用、去痰作用、消化器系の鎮痙作用、創傷治癒促進作用

まとめ

ホワイトホアハウンドは伝統的に呼吸器や消化器系の不調に使われてきた。
🚨 妊娠中は使用禁止。
🚨 降圧薬・糖尿病薬との相互作用に注意。
🚨 科学的根拠が不十分なため、健康効果には慎重な評価が必要。

References

See Monograph References


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