マラバー ナット (Malabar Nut)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Justicia adhatoda(シノニム: Adhatoda vasica, Adhatoda zeylenica

科名
キツネノマゴ科 (Acanthaceae)


概要

マラバーナットは東南アジア(特にインド)に自生する低木です。その葉はアーユルヴェーダやユナニ医学で使用されてきました。


用途

  • 経口使用:
    上気道感染症、風邪、咳、痰、喘息、気管支炎、結核の治療に使用されます。また、去痰薬、分泌促進剤、気管支拡張剤、軽度の鎮痙剤としても利用されています。
  • 外用使用:
    歯のケアに使用され、歯垢の形成を抑制するとされています。

安全性

  • 信頼できる情報が不足: マラバーナットの安全性に関する十分なデータはありません。
  • 妊娠中:
    • 安全でない: 経口使用は禁忌とされています。
  • 授乳中: 信頼できる情報が不十分なため、使用を避けるべきです。

副作用

  • 一般: 副作用の報告はありませんが、十分な安全性評価が行われていません。

効果

十分な信頼性のある証拠がない:

  • 歯垢: マラバーナットを含むアーユルヴェーダ歯磨き粉を使用すると、歯垢を減らす可能性があるとされていますが、研究の質が低く、追加研究が必要です。
  • 上気道感染症: マラバーナットを含む製品を服用しても、咳の頻度や重症度を改善しないとの研究結果があります。他の研究でも同様の結果が得られています。

投与量と管理

  • 成人(経口使用): 典型的な投与量に関する情報はありません。

薬理作用

  • 主な成分: 葉が有効部位とされ、含有成分にはピロロキノリンアルカロイド(バシシン、バシシノン、バシコールなど)やその他のアルカロイド(アダトディニン、バシシノール、バシシノロン)が含まれます。

抗菌作用:

葉に含まれるバシシンは一部の細菌に対して抗菌作用を持ち、結核菌 (Mycobacterium tuberculosis) に対する効果も確認されています。

抗酸化作用:

マラバーナット葉抽出物は、フリーラジカルを除去する抗酸化作用を示します。

脂質改善効果:

高脂血症モデルのラット研究で、葉抽出物がトリグリセリドとLDLコレステロールを減少させ、HDLコレステロールを増加させることが示されました。

呼吸器作用:

去痰作用や気管支拡張作用が確認されており、咳や痰の症状を緩和するとされています。また、葉から抽出された多糖類は鎮咳作用を持つとされています。

子宮作用:

バシシンは子宮刺激作用を持つと考えられており、妊娠中の使用は禁忌です。


相互作用

  • 薬物、サプリメント、疾患、検査: 知られている相互作用はありません。

過剰摂取と治療

  • 過剰摂取: トキシコロジーに関する信頼できる情報は不足しています。

マラバーナットは伝統医学で多用途に使用されてきましたが、その効果と安全性についての科学的エビデンスは限定的です。特に妊娠中や授乳中の使用には注意が必要です。


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