ミルラ (Myrrh)

投稿者 :リンクプロ on

学名: Commiphora myrrha, (Commiphora molmol, Balsamodendrum myrrha)
科名: カンラン科 (Burseraceae)


概要

ミルラは、特定のCommiphora属の樹皮に切り込みを入れることで得られる黄色の芳香性樹脂です (93646,93651,93652)。エチオピア、ソマリア、北ケニア、アジアの一部が主な原産地で、世界中で利用されています。特に中国やエジプトで人気があります (93651)。伝統的には、鎮痛剤や消化器疾患の治療に使用されてきました (93652,98224)。


使用方法

経口

  • 脳卒中、昏睡、神経衰弱、けいれん、腫瘍、外傷、心臓痛、潰瘍性病変などの治療に使用されます。
  • 食品では、香料として利用されます。

外用

  • 歯周疾患や口内炎の治療、およびバスソリューションとして利用されます。

安全性

  • おそらく安全: 食品に含まれる量では安全とされています。
  • おそらく安全: 短期間、適切に使用した場合、医療用としても安全と見なされています。ミルラ400mgを1日3回、12か月間使用した研究があります (93653,104593)。
  • おそらく不安全: 高用量(2~4グラム)の経口使用では腎臓刺激や下痢を引き起こす可能性があります (12)。
  • 妊娠中: 不安全。ミルラは子宮収縮を引き起こし、流産のリスクを高める可能性があります (4,12,19)。

副作用

  • 一般的な副作用: 通常、経口使用では良好に耐えられるとされています。
  • まれな深刻な副作用: 高用量では腎機能障害や心拍数の変化が報告されています。

効果

おそらく効果なし

  • 住血吸虫症: 大半の研究で、ミルラ抽出物は治療に効果がないことが示されています。

信頼できる十分な証拠がない

  • 背部痛、がん、口内炎、風邪、咳、クロン病、歯周炎、下痢、筋肉痙攣、潰瘍性大腸炎など、多岐にわたる用途については、現時点で信頼できる十分な情報が不足しています。

用量と使用法

成人

  • 経口: ミルラ抽出物は1日600~1200mg(1日3回分割)が最も一般的に使用されています。
  • 外用: 口腔洗浄液やバスソリューションとして利用されています。

子供

  • 研究が不足しており、推奨用量は不明です。

相互作用

薬物との相互作用

  • 抗糖尿病薬: ミルラは血糖値を低下させる可能性があり、抗糖尿病薬と併用すると低血糖リスクが高まる可能性があります (Dランク)。
  • ワルファリン(Coumadin): ミルラはワルファリンの効果を低下させる可能性があります (Dランク)。

サプリメントとの相互作用

  • 低血糖を引き起こす可能性のあるハーブやサプリメント: ミルラが低血糖作用を持つ可能性があります。

作用機序

  • 主要成分: ミルラ樹脂は、30~61%のガム、23~40%の樹脂、2~17%の精油、10~25%の苦味成分で構成されています (93646,93651,93654)。
  • 鎮痛効果: 動物および初期の人間研究で、ミルラに鎮痛効果があることが示されています (93657,98224)。
  • 抗炎症効果: ミルラが炎症誘発性白血球のロイコトリエン合成を阻害することで、抗炎症作用を示す可能性があります (93653)。
  • 抗菌効果: ミルラの精油成分には、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、カンジダ菌に対する抗菌活性があります (93658)。
  • 子宮作用: ミルラは平滑筋や子宮収縮を刺激し、子宮血流を増加させる可能性があります (12,19)。

注意点

ミルラの使用は、特に高用量または妊娠中の場合には慎重に行う必要があります。糖尿病や抗凝固療法中の患者は、医療専門家に相談することが推奨されます。

References

See Monograph References


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