リンゴ酸 (Malic Acid)
投稿者 :リンクプロ on
学名
Malic Acid
概要
リンゴ酸は有機アルファヒドロキシ酸で、ワインや果物(例:バナナ、イチゴ、ネクタリン、チェリー、マンゴー、モモ、トマト、ブドウ)に含まれています。この酸は食品の酸味付けや風味付け、変色防止に利用されるほか、化粧品の酸度調整剤としても使用されます。また、薬用目的でも用いられることがあります。
安全性
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おそらく安全
- 食品での使用: 一般的な食品中の量で使用される場合、リンゴ酸は「一般的に安全と認められる(GRAS)」とされています。
- 医療用途での短期使用: 1日2回1200 mgのリンゴ酸が最長6か月間安全に使用されたとの報告があります。
- 口腔粘膜の局所使用: スプレーやトローチ形状で最大6か月間の使用が安全とされています。
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おそらく安全でない
- 妊娠・授乳中: 食品に含まれる量では安全とされていますが、薬用量での使用に関する信頼できる情報は不足しています。
副作用
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一般的な副作用:
- 経口: 一般的にはよく耐えられます。
- 局所: 口腔粘膜への適用時に眼や皮膚の刺激、皮膚の剥離が報告されています。
効果
効果がある可能性がある:
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ドライマウス(口腔乾燥症):
臨床研究では、リンゴ酸を含むスプレーまたはトローチを最大2週間使用することで、様々な原因による口腔乾燥症の症状を改善することが示されています。
十分な証拠がない:
- ニキビ: リンゴ酸を他の成分と組み合わせて使用した場合のみ評価されています。単独での効果は不明です。
- 疲労: 経口摂取による効果は不明です。
- 線維筋痛症: 他の成分と組み合わせた場合のみ評価されています。単独での効果は不明です。
- 胃食道逆流症 (GERD): 他の成分と組み合わせた場合のみ評価されています。単独での効果は不明です。
投与量と管理
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成人
- 経口: 研究は限られており、標準的な投与量は不明です。
- 局所: リンゴ酸1%を含むスプレーを1日4〜8回、最大2週間使用する方法や、25.58 mgのリンゴ酸を含むトローチを1日4回、最大6か月間使用する方法が報告されています。
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小児
- 局所: 研究が限られており、標準的な投与量は不明です。
薬理作用
一般:
リンゴ酸は、皮膚の角質除去効果を持つアルファヒドロキシ酸(AHA)です。カルシウムイオンをキレートすることで、皮膚の剥離を促進します。また、酸味によって唾液分泌を刺激し、口腔乾燥症の緩和に役立つと考えられています。
皮膚作用:
リンゴ酸は皮膚の角質を除去する効果があり、ワート(いぼ)の治療にも使用された事例があります。
胃腸作用:
酸味が唾液の分泌を促進しますが、過剰に使用すると歯のエナメル質を腐食する可能性があります。
低血圧作用:
動物研究では、リンゴ酸が血圧を低下させる可能性が示唆されています。
体重増加:
動物研究では、リンゴ酸の慢性的な摂取が体重増加や食習慣の変化を引き起こすことが示されています。
相互作用
- 降圧薬: リンゴ酸が降圧作用を増強し、低血圧のリスクを高める可能性があります。
商業製品
リンゴ酸は多くの食品、化粧品、医薬品に使用されています。特に食品では酸味付けや防腐剤として、また口腔ケア製品ではドライマウスの緩和に使用されます。
リンゴ酸は食品や医薬品に広く使用されている安全性の高い成分ですが、高濃度や過剰使用には注意が必要です。特定の医療用途では、医療専門家の指導の下で使用することが推奨されます。
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- タグ: サプリメント