ワイルドミント(Wild Mint)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Mentha aquatica(シノニム:Mentha palustris

シソ科(Lamiaceae/Labiatae)

注意事項

ワイルドミントとは別に、「神託のセージ(Diviner’s Sage)」「イングリッシュホースミント(English Horsemint)」「ジャパニーズミント(Japanese Mint)」「ペパーミント(Peppermint)」「シソ(Perilla)」「スペアミント(Spearmint)」の個別の情報を参照してください。


その他の一般的な名称

(特に記載なし)


概要

ワイルドミントは多年草のハーブで、湿地、池の周辺、川の岸辺などに生育します。ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアが原産地ですが、アメリカやオーストラリアにも導入されています。


使用用途

経口摂取:

  • 下痢
  • 月経困難症
  • 収れん剤(肌や粘膜を引き締める)
  • 刺激剤(体の機能を活性化させる)

安全性

ワイルドミントの安全性について、信頼できる十分な情報はありません。

妊娠・授乳中の使用

信頼できる十分な情報がないため、使用を避けてください。

副作用

一般的な副作用:

  • 報告された副作用はありません。ただし、安全性についての十分な評価は行われていません。

効果の信頼性

ワイルドミントの有効性について、信頼できる十分な情報はありません。


摂取方法と用量

成人(経口摂取)

  • 一般的な使用: 1日を通して小さなカップ1杯のワイルドミントティーを摂取

標準化および製剤

ワイルドミントの標準化について、信頼できる十分な情報はありません。


相互作用

薬との相互作用

知られている相互作用はありません。

サプリメントとの相互作用

知られている相互作用はありません。

疾患との相互作用

知られている相互作用はありません。

臨床検査との相互作用

知られている相互作用はありません。


過剰摂取(中毒)

ワイルドミントの毒性について、信頼できる十分な情報はありません。


ワイルドミントを含む市販製品

(該当情報なし)


薬物動態(ファーマコキネティクス)

ワイルドミントの薬物動態について、信頼できる十分な情報はありません。


作用機序(メカニズム)

一般的な情報

ワイルドミントの有効部分は、**地上部(葉や茎など)**です。
ワイルドミントの精油には以下の化合物が含まれます:

  • モノテルペン(メントフラン)
  • p-メンタンラクトン類(ミントラクトン、イソミントラクトン、ヒドロキシミントラクトン、メントフロラクトン、エピメントフロラクトン)
  • その他の成分(シネオール、メントン、ナリンゲニン、ピペリテノンオキシド、β-カリオフィレン、リモネン、ボルネオール、テルピネン-4-オール、ゲルマクレンD、β-エレモール、ビリディフロロール)

※これらの成分の含有量は、植物が生育する地理的な場所によって異なります。


ワイルドミントの効果

1. 抗菌作用

ワイルドミントの精油は、試験管内(in vitro)で 大腸菌(Escherichia coli) に対して抗菌活性を示しました。また、チフス菌(Salmonella typhi)黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)枯草菌(Bacillus subtilis) に対しても一定の抗菌効果が報告されています。

2. 抗真菌作用

ワイルドミントの精油は、試験管内で カンジダ菌(Candida albicans)トリコフィトン属(Trichophyton species) に対する抗真菌効果を示しました。

3. 抗酸化作用

ワイルドミントの精油は、抗酸化作用とフリーラジカル消去活性を持つ可能性があり、これはシネオール成分によるものと考えられています。

4. 抗不安作用(アキシオリティック効果)

ワイルドミントには、不安を軽減する(抗不安作用) 可能性があります。
これは、ワイルドミント成分の ビリディフロロール(viridiflorol) が、神経伝達物質GABA(ガンマアミノ酪酸) に関連するベンゾジアゼピン結合部位と結合することで作用すると考えられています。
また、ワイルドミントに含まれる ナリンゲニン(naringenin) も抗不安作用を持つ可能性がありますが、その作用はベンゾジアゼピン拮抗薬 フルマゼニル(flumazenil) によって打ち消されないため、別の機構が関与していると推測されています。

さらに、ナリンゲニンは、不安モデルのラットにおいて、ミダゾラム(midazolam) に似た運動抑制効果を示しました。

5. モノアミン酸化酵素(MAO)阻害作用

ワイルドミントの地上部からエタノール抽出されたナリンゲニンは、モノアミン酸化酵素A(MAO-A) および モノアミン酸化酵素B(MAO-B) の酵素活性を阻害することが、ラットの肝ミトコンドリア細胞を用いた研究で示されました。


分類

ワイルドミントは、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOIs) に分類される可能性があります。


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