ウコン /ターメリック(Turmeric)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Curcuma longa(シノニム: Curcuma domestica, Curcuma aromatica)

ショウガ科 (Zingiberaceae)

注意

ジャワウコンやオウレン(Tree Turmeric)と混同しないように注意してください。
また、ゼドアリ(白ウコン)やゴールデンシールも「ターメリック」と呼ばれることがありますが、別種の植物です。


概要

ウコンは、アジア料理で広く使われるスパイスで、ウコン植物の根茎から作られます。
多年草でショウガ科に属し、インドや東南アジアで栽培されています。
中国やインドの伝統医学、インドの宗教儀式でも用いられてきました。
ウコンの主成分であるクルクミン(黄色色素)が、食品や化粧品の着色にも利用されています。


警告

■ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
ウコンがCOVID-19に効果があるとする根拠はありません。
健康的な生活習慣と、科学的に証明された予防法を推奨します。


安全性

■「経口摂取」および「短期的・適切な使用」でおそらく安全

  • クルクミンとして1日8グラムまで、2カ月間使用で安全と報告あり。
  • ウコンとして1日3グラムまで、3カ月間使用で安全と報告あり。

■「外用」でおそらく安全

  • 口腔用うがい薬や塗布剤として適切に使用。

■「浣腸」でおそらく安全(短期)

  • ウコン抽出液を8週間使用。

■ 妊娠中

  • 食品程度ならおそらく安全。
  • 医薬品量(大量)はおそらく危険(子宮刺激・月経促進の可能性)。

■ 授乳中

  • 食品程度ならおそらく安全。
  • 医薬品量については情報不足。

副作用

一般的には良好に耐えられるとされますが、一部で以下が報告されています。

■ 経口摂取

  • 便秘、消化不良、下痢、腹部膨満、胃食道逆流、吐き気、嘔吐

■ 外用

  • クルクミンが原因で、接触蕁麻疹やかゆみが発生することがある。

効能

■「効果がある可能性がある」

  • アレルギー性鼻炎:症状改善の可能性あり。
  • うつ病:抗うつ剤併用で1日1グラムを6週間服用すると症状改善報告あり。
  • 消化不良:軽度改善の可能性あり。
  • 高脂血症:効果はわずかだが、改善の可能性あり。
  • 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD):脂肪沈着抑制・代謝改善の可能性あり。
  • 口内炎:クルクミン含有うがい薬で痛み軽減。
  • 変形性膝関節症:一部製品で症状改善報告あり。
  • かゆみ:原因不明のかゆみに有望な結果あり。

■「効果がない可能性がある」

  • アルツハイマー病:認知機能改善効果なし。
  • 消化性潰瘍:治癒促進効果なし。

■「十分な証拠がないもの」(研究不足)

  • にきび、月経不順、喘息、BPH(前立腺肥大)、糖尿病性腎症、片頭痛、関節痛など多数。

用法・用量

■ 成人(経口)

  • ウコン抽出物:1日1.5グラム、3カ月間
  • クルクミン:1日6グラム以下、最長12日間

■ 外用

  • うがい薬やクリーム、ジェルなどで使用。

■ 子供

  • 適切な用量に関する十分な研究なし。

有効成分・製剤化

  • クルクミノイド(クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン)
  • 一部製品には吸収促進のためピペリン(コショウ成分)を配合。
  • 各製品で成分比率や吸収性に違いあり。

相互作用

■「薬剤との相互作用」

  1. 抗凝固薬・抗血小板薬:出血リスク増加の可能性。
  2. 糖尿病薬:低血糖リスク増加の可能性。
  3. 肝毒性薬剤:肝障害リスク増加の可能性。
  4. 抗がん剤:抗酸化作用により効果減弱の可能性(未確定)。

■「サプリメントとの相互作用」

  • 抗凝固作用、肝毒性、低血糖作用を持つものと併用注意。
  • 鉄吸収阻害の懸念あり。

過剰摂取

過剰摂取時の症状や治療法について、信頼できる情報はありません。


薬物動態

■ 吸収

  • 経口摂取で生体利用率は極めて低い。
  • 食事やピペリン併用で吸収が向上。
  • ナノ粒子やリポソーム製剤で吸収改善報告あり。

■ 代謝

  • 肝臓・腸で速やかに代謝され、硫酸・グルクロン酸抱合体となる。

■ 排泄

  • ほとんどが便として排泄。

作用機序

■ 抗炎症作用
COX-2、TNF-α、IL-6、プロスタグランジンなど炎症物質抑制。

■ 抗酸化作用
活性酸素除去、抗酸化酵素(SOD、グルタチオン)増加。

■ 抗がん作用
アポトーシス誘導、血管新生抑制、炎症物質抑制。

■ 抗糖尿病作用
インスリン分泌促進、血糖降下。

■ 関節保護
関節軟骨分解抑制、炎症マーカー低下。

■ 胆汁分泌促進
胆嚢収縮作用。


分類

抗血小板剤、肝毒性物質、低血糖剤、免疫調整剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗がん剤


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