スイートアニー(Sweet Annie)
投稿者 :リンクプロ on
学名
Artemisia annua
科名
キク科(Asteraceae/Compositae)
注意
⚠ **スイートアニー(Sweet Annie)**は、他の「ワーム(Worm)」の名前を含む植物と混同しないように注意してください。
以下の植物は別物です:
- Artemisia herba-alba(コモンワームウッド, Common Wormwood, デザートワームウッド, Desert Wormwood)
- ヨモギ(Mugwort, Wild Wormwood)
- ウォームシード(Wormseed)
- ワームウッド(Wormwood, ニガヨモギ)
その他の一般的な名称
(省略)
概要
スイートアニーは、**伝統的な中国医学(TCM)**で使用されてきた植物です (76754)。
✅ 伝統的に使用される疾患・症状
- 消化器系の症状
- 自己免疫疾患
- 循環器系疾患
- 胆嚢疾患
- 糖尿病
- 黄疸
- 生理痛(Dysmenorrhea)
- 神経痛
- 打撲・捻挫
- 感染症
- シラミ・疥癬(Scabies)
- 乾癬(Psoriasis) など
警告(Warnings)
⚠ スイートアニー由来の半合成誘導体(artemisinin誘導体)(アルテメテル(Artemether)、アルテスネート(Artesunate))は、処方箋が必要な抗マラリア薬としてアジア・アフリカ・ヨーロッパで使用されています (3181, 11057, 3182)。
これらの医薬品誘導体については本モノグラフでは詳しく扱いません。
安全性
経口使用
✅ おそらく安全(POSSIBLY SAFE)(短期間の適切な使用の場合)
- 300 mg/日、最大9ヶ月の使用で安全性が確認されています (11055, 94520, 94521)。
-
乾燥葉・茎を用いたスイートアニーティーを1日分割摂取し最大7日間の使用で安全性が確認されています (11055, 11058)。
⚠ ただし、まれに肝障害(Hepatotoxicity)のリスクがある(16895, 103254, 103255)。
舌下使用
✅ おそらく安全(POSSIBLY SAFE)(短期間の適切な使用の場合)
- 最大2400生物学的単位(BU)/日、最大16ヶ月の舌下免疫療法(SIT)で安全性が確認されています (106441, 112392, 112393, 112394)。
外用使用
❓ 安全性に関する信頼できる情報は不足。
妊娠・授乳中
❓ 安全性に関する信頼できる情報が不足。
- 使用を避けるべき。
副作用
一般的な副作用
✅ 経口摂取は一般的に良好に耐えられる。
最も一般的な副作用
- 経口: 吐き気・嘔吐
- 重篤な副作用(まれ): 肝毒性(Hepatotoxicity)
有効性
おそらく有効(POSSIBLY EFFECTIVE)
✅ アレルギー性鼻炎(花粉症, Hay Fever)
- スイートアニーを**舌下免疫療法(SLIT)**として使用すると、スイートアニーポレンによる季節性アレルギーの症状軽減に効果がある (112393)。
効果不明(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE TO RATE)
🔍 マラリア(Malaria): 効果は不明
🔍 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD): 効果は不明
🔍 変形性関節症(Osteoarthritis): 効果は不明
🔍 関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis, RA): 効果は不明
📌 さらなる研究が必要。
用量・投与方法
成人
- 経口(Oral): 研究が限られているため、標準的な用量は不明
- 舌下(Sublingual): 研究が限られているため、標準的な用量は不明
標準化・製剤化
スイートアニーの標準化に関する十分な情報はありません。
相互作用
薬との相互作用
✅ CYP2B6基質薬(中程度の相互作用, Moderate)
⚠ スイートアニーはCYP2B6で代謝される薬剤の血中濃度を変化させる可能性あり。
✅ CYP3A4基質薬(中程度の相互作用, Moderate)
⚠ スイートアニーはCYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度を変化させる可能性あり。
✅ 肝毒性を持つ薬(Hepatotoxic Drugs)(中程度の相互作用, Moderate)
⚠ スイートアニーは肝毒性を増加させる可能性があるため、併用には注意が必要。
サプリメントとの相互作用
✅ 肝毒性のあるハーブ・サプリメント(Hepatotoxic Herbs and Supplements)
⚠ 併用により肝毒性リスクが増加する可能性あり。
疾患との相互作用
⚠ 交差アレルギー(Cross-Allergenicity)
⚠ 肝疾患(Liver Disease)
検査との相互作用
✅ 特になし。
過剰摂取
❓ 過剰摂取時の症状や治療に関する十分な情報はない。
作用機序
主な成分
- アルテミシニン(Artemisinin, Qinghaosu)(セスキテルペンラクトン, 3185)
- アルテスネート(Artesunate)
- フラボノイド(ケルセチン類)
- 抗酸化成分
主な作用
✅ 抗アレルギー作用(Anti-Allergy Effects)
✅ 抗マラリア作用(Antimalarial Effects)
✅ 抗炎症作用(Anti-inflammatory Effects)
✅ 抗がん作用(Anticancer Effects)
✅ 抗糖尿病作用(Antidiabetic Effects)
✅ 免疫抑制作用(Immunosuppressive Effects)
分類
- CYP3A4誘導薬(Cytochrome P450 3A4 Inducers)
- 肝毒性リスク薬(Hepatotoxic Agents)
まとめ
✅ 短期間の使用は安全だが、長期使用には注意
✅ 花粉症の舌下免疫療法に効果あり
✅ 肝毒性リスクがあるため、肝疾患のある人は避けるべき
📌 さらなる研究が必要。
References
See Monograph References
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- タグ: サプリメント