トルーバルサム(Tolu balsam)
投稿者 :リンクプロ on
学名
Myroxylon balsamum(ミロキシロン・バルサムム)
Myroxylon balsamum var. balsamum(ミロキシロン・バルサムム変種バルサムム)
※別名:Toluifera balsamum(トルイフェラ・バルサムム)
科名
マメ科(Fabaceae/Leguminosae)
注意事項
トルーバルサムとペルーバルサムは混同しないよう注意が必要です。両者は同じミロキシロン・バルサムムの樹幹から採取されますが、製造方法が異なります。
概要
トルーバルサムは、Myroxylon balsamum の幹に切り込みを入れて分泌されるオレオレジン(樹脂)です。採取後、加熱・濾過・冷却を行って固形化し精製されます。
ペルーバルサムは、焼いた樹幹から採取される樹脂であり、製法が異なります。
トルーバルサムは、伝統的に以下の目的で使用されてきました。
- 抗菌作用
- 抗寄生虫作用
- 去痰作用
また、以下の用途でも用いられます。
- 香料や固定剤として石鹸や化粧品
- 風味付けとしてチューインガム、食品、飲料
安全性
【おそらく安全】
- オレオレジンや抽出物を食品に含まれる量で内服する場合、安全とされています(米国でGRAS認定=一般的に安全と認められる食品添加物)。
【おそらく安全】
- 短期間、薬用量(600mg/日程度)を内服する場合も安全と考えられています。
【外用】
安全性について信頼できる情報は不十分です。
【妊娠・授乳中】
安全性に関する十分な情報がないため、使用を避けるべきです。
副作用
【一般】
- 食品に含まれる程度の量では安全です。
- 薬用量でも通常は良好に耐えられます。
【皮膚・腎臓】
副作用について特段の報告はありません。
効果
【効果不明】(十分な証拠なし)
- 咳(去痰目的):興味は持たれていますが、臨床的有効性について信頼できる情報はありません。
- 乳首の亀裂(外用):効果が期待されていますが、十分な研究がありません。
- 呼吸器感染症(気管支炎、喉頭炎、クループなど):内服や吸入で使用例がありますが、効果に関する信頼できるデータはありません。
※これらの用途について、さらなる研究が必要です。
用量・使用方法
【成人・内服】
- 伝統的に、トルーバルサムシロップが1日600mg程度で使用されています。
標準化・製剤
製品の標準化や含有成分に関する信頼できる情報は不十分です。
薬物相互作用
現時点で知られている薬物との相互作用はありません。
サプリメントとの相互作用
現時点で知られている相互作用はありません。
疾患との相互作用
現時点で知られている相互作用はありません。
検査結果への影響
現時点で知られている影響はありません。
過剰摂取
過剰摂取時の症状や治療法について、十分な情報はありません。
薬物動態(吸収・代謝・排泄)
薬物動態に関する信頼できる情報はありません。
作用機序
【一般】
有効部分はオレオレジンです。
作用機序や有効成分に関する信頼できる情報は不足しています。
まとめ
トルーバルサムは、伝統的に咳止め、去痰、抗菌などの目的で使用されてきましたが、現代医学的には効果に関する十分なエビデンスはありません。ただし、食品添加物として認められており、適量での使用であれば安全性は高いと考えられます。
薬理作用や副作用に関する情報も限られているため、積極的に治療目的で使用するよりは、香料や食品添加物として利用する程度に留めるのが無難といえます。
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