■ 学名
Dipteryx odorata(別名:Coumarouna odorata)
■ 科名
マメ科(Fabaceae/Leguminosae)
■ その他の一般名
特になし
■ 概要
トンカビーンズは、トンカ豆の木(Dipteryx odorata)の種子です。
歴史的に、強壮剤や媚薬として用いられてきました。
■ 安全性
× おそらく危険(経口摂取時)
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、トンカビーンズおよびその抽出物を含む食品を「不純物」と見なし、使用を禁止しています。
トンカビーンズに含まれるクマリンという成分は、まれに肝毒性を引き起こし、肝酵素の上昇から重篤な肝障害まで引き起こす可能性があります。
△ 外用使用については情報不足
皮膚に塗布する安全性については、信頼できる情報がありません。
× 妊娠・授乳中
経口摂取は「おそらく危険」です。使用を避けてください。
■ 副作用
◎ 一般的な副作用(経口摂取時)
・下痢
・めまい
・不眠
・吐き気
・嘔吐
× 重篤な副作用(まれ)
・肝毒性
・心臓麻痺(心停止)
■ 効果について(科学的根拠不足)
現時点で、トンカビーンズの効果を裏付ける信頼性のある情報はありません。
■ 用法・用量
【成人・経口】
研究が不足しており、一般的な推奨量は不明です。
■ 標準化・製剤
一部ではクマリン含有量を基準に標準化されることがあります。
■ 相互作用
◎ 薬物との相互作用:報告なし
◎ サプリメントとの相互作用:報告なし
◎ 疾患との相互作用
・肝疾患:クマリンによる肝毒性の恐れがあるため、既存の肝疾患患者は特に避けるべき。
■ 過剰摂取
◎ 症状
クマリンを多量摂取(4g以上)すると以下の症状を引き起こす可能性があります。
・昏睡
・頭痛
・吐き気
・嘔吐
◎ 治療
過剰摂取時の具体的な治療法については、十分な情報がありません。
■ 薬物動態(体内での動き)
吸収・分布・代謝・排泄に関する十分な情報はありません。
■ 作用機序
◎ 有効部位:果実および種子
◎ 主成分
・クマリン(1〜3%、最大10%含有)
・クマル酸βグルコシド
・o-クマル酸
・リノール酸
・オレイン酸
・シトステロール
・ステアリン酸
・スティグマステロール
・ウンベリフェロン
・果実にはメリロトシド(melilotoside-1-p-coumaryl-beta-d-glucose)
◎ 主な作用
・鎮痛作用:麻薬様作用、けいれん抑制作用の可能性
・抗炎症作用:クマリンが静脈・リンパ還流を促進し、浮腫や炎症を軽減する可能性
・内分泌作用:動物実験で、幼若期の雌ラットにイソフラボンを含む抽出物を投与したところ、下垂体重量の増加が見られた
■ 分類
・肝毒性物質(Hepatotoxic Agents)
■ 製品例
市販製品については特に著名なものはありません。
■ 注意点まとめ
トンカビーンズは香料や伝統薬として一部で使われることがありますが、クマリン含有量が高く、肝毒性リスクがあるため、食品としては安全とは言えません。
特に、妊娠中や肝機能障害を抱える人は避けるべきです。