ビタミンA(Vitamin A)
投稿者 :リンクプロ on
学名
ビタミンA
注意: カロテノイドであるアスタキサンチン、ベータカロテン、ルテイン、リコピン、ゼアキサンチンについては、それぞれ別の項目を参照してください。
概要
ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、レチノール、レチナール、レチノイン酸、レチニルエステルなどの異なる形態が存在します。これらの異なる形態のビタミンA(事前形成ビタミンA)は、一般に食事性「レチノイド」と総称されます。最も強力な形態であるオールトランスレチノールは、食事中のビタミンAの主要な形態です。
レチノールは、肝臓、卵、全乳、バター、強化マーガリン、肉、脂の多い海水魚などの動物由来の食品にエステル化された形で存在します。
ビタミンAのファミリーには、プロビタミンAカロテノイドも含まれます。これらはレチノールの前駆体となるもので、食事中のビタミンAの約3分の1はカロテノイドから供給されます。カロテノイドは、特に濃いオレンジ、赤、緑色の果物や野菜に多く含まれています。
カロテノイドがどの程度吸収され、ビタミンAに変換されるかは、摂取量、個々のビタミンAの状態、体内のカロテノイド貯蔵量によって異なります。本項目では、事前形成ビタミンAのみを対象としています。
安全性
可能性が高い安全性
経口または筋肉内注射で適切に使用する場合、ビタミンAは安全と考えられます。事前形成ビタミンA(レチノールまたはレチニルエステル)は、成人において耐容上限摂取量(UL)である1日10,000IU(3,000mcg)未満であれば安全です。これを超えると副作用のリスクが高まります。
可能性がある安全性
短期間の外用使用は安全と考えられます。レチノールを最大0.5%含むスキンケア製品は、最大12週間使用されており、臨床試験では重大な副作用は報告されていません。
可能性がある危険性
高用量の経口摂取では安全性が疑問視されることがあります。1日10,000IU(3,000mcg)を超える摂取は、副作用のリスクを高める可能性があります。長期にわたり過剰摂取すると、高ビタミンA症(ハイパービタミノシスA)を引き起こす可能性があります。高ビタミンA症のリスクは、特定の1日の摂取量よりも、総累積摂取量に関連しています。
小児
事前形成ビタミンAの安全な摂取量は年齢によって異なります。
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3歳以下: 1日2,000IU(600mcg)未満
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4~8歳: 1日3,000IU(900mcg)未満
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9~13歳: 1日5,667IU(1,700mcg)未満
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14~18歳: 1日9,333IU(2,800mcg)未満
これを超える摂取は、肺炎、骨の痛み、下痢などの副作用のリスクを高める可能性があります。
妊娠・授乳
適切な量での摂取は安全ですが、過剰摂取(10,000IU以上)は胎児の奇形リスクを高める可能性があります。特に妊娠初期は催奇形性のリスクが高く、頭蓋顔面異常や中枢神経系の異常が発生する可能性があります。
副作用
適量であれば、ビタミンAは一般に良好に耐容されますが、高用量では以下のような深刻な副作用が発生する可能性があります。
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皮膚: 乾燥、落屑、かゆみ
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消化器: 下痢、吐き気、食欲不振、腹痛
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肝臓: 肝毒性
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神経系: 頭痛、めまい、視覚異常
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骨・筋肉: 骨折リスクの増加、骨痛
効果
有効性が確認されているもの
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ビタミンA欠乏症: 経口摂取により、ビタミンA欠乏症の予防および治療に有効です。
可能性がある有効性
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加齢による皮膚の老化: トピカルビタミンA(レチノール)は、しわや色素沈着を改善する可能性があります。
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下痢: 幼児においてビタミンAは下痢の発生率を減少させる可能性があります。
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麻疹: 高用量のビタミンAは、2歳未満の子供の麻疹による死亡率を低下させる可能性があります。
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夜盲症: 妊娠中の栄養失調者において、レチニルパルミテートが夜盲症の症状を改善する可能性があります。
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潰瘍性大腸炎: ビタミンAの経口補給が臨床反応および粘膜治癒を改善する可能性があります。
効果が不明なもの
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がん予防(乳がん、大腸がん、肺がんなど)
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HIV/AIDS関連疾患
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前立腺がん予防
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骨粗鬆症
効果がない可能性があるもの
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HIVの母子感染リスク低減
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低出生体重児の発育促進
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呼吸器感染症の予防
過剰摂取(中毒)
ビタミンAの過剰摂取は、高ビタミンA症を引き起こす可能性があります。
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急性中毒: 高用量摂取により、頭痛、吐き気、視覚異常、昏睡、死亡の可能性あり。
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慢性中毒: 長期間の過剰摂取により、骨粗鬆症、肝毒性、神経症状、皮膚障害が発生する可能性があります。
まとめ
ビタミンAは視力、免疫機能、成長、細胞分化などに重要な役割を果たしますが、過剰摂取には注意が必要です。適切な摂取量を守ることで、健康維持に役立ちます。
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