ビタミンD(Vitamin D)
投稿者 :リンクプロ on
学名
1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール、25-ヒドロキシコレカルシフェロール、アルファカルシドール
分類
その他の一般的な名称
概要
ビタミンDは必須脂溶性ビタミンの一種です。ビタミンDにはいくつかの形態があり、代表的なものとして**エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)とコレカルシフェロール(ビタミンD3)**があります。これらは体内で代謝され、活性型代謝物であるカルシトリオールになります。商業的に販売されているビタミンD3サプリメントは通常、羊毛由来のラノリンから作られていますが、地衣類由来のビーガン向けD3もあります。一方、ビタミンD2サプリメントは主に植物由来です。
ビタミンDは魚類、卵、強化ミルクなどの食事から摂取できるほか、日光を浴びることで皮膚で合成されます。アメリカでは、120 IU以上のビタミンDを含む食品には、「適量のカルシウムとビタミンDを含むバランスの取れた食事と適度な運動が骨粗鬆症のリスクを低減する可能性がある」と表示することが許可されています。
警告
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
一部の専門家は、1日2000 IU(50 mcg)のビタミンD摂取がCOVID-19のリスクを低減する可能性があるとしています。しかし、最近の合同タスクフォースでは、**1日400~1000 IU(10~25 mcg)**が推奨されており、日光に15~30分間当たることができない人向けとされています。
ただし、ビタミンDがCOVID-19に有効であるという確固たる証拠はありません。また、単回投与で200,000 IUを摂取しても、入院患者に対する有効性は認められなかったという臨床研究結果もあります。
安全性
適切な使用で安全とされる場合
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経口または筋肉内投与で適切に使用された場合、ビタミンDは安全とされています。
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1日4000 IU(100 mcg)以下の摂取であれば、長期間使用しても問題ないと考えられています。
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ビタミンD欠乏症の短期治療では、週50,000 IU(1250 mcg)の摂取が必要になることもあります。
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月に60,000 IU(1500 mcg)を5年間摂取しても安全性が確認されています。
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血中ビタミンD濃度が150 ng/mLを超えると、毒性が現れる可能性があります。
過剰摂取の危険性
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1日4000 IU(100 mcg)を超える摂取を長期間続けると、高カルシウム血症(高Ca血症)のリスクが増加します。
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一般的に150 ng/mLを超える血中ビタミンD濃度で毒性が現れます。
小児の安全性
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適切な量で安全とされる
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0~6か月: 1000 IU(25 mcg)
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6~12か月: 1500 IU(37.5 mcg)
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1~3歳: 2500 IU(62.5 mcg)
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4~8歳: 3000 IU(75 mcg)
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9歳以上: 4000 IU(100 mcg)
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短期治療ではより高い用量が必要な場合があります。
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週14,000 IU(350 mcg)を1年間摂取しても安全性が確認された研究があります。
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過剰摂取(1年以上の長期高用量)は高カルシウム血症を引き起こす可能性があります。
妊娠・授乳中の安全性
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適切な量で安全: 1日4000 IU(100 mcg)以下。
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過剰摂取の危険性: 過剰なビタミンD摂取は、胎児の副甲状腺抑制、低カルシウム血症、痙攣、大動脈弁狭窄症、網膜症、発達遅延などを引き起こす可能性があります。
副作用
一般的な副作用(まれ)
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経口または筋肉内投与で通常は良好に耐えられる
重篤な副作用(まれ)
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過剰摂取による高カルシウム血症
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腎機能障害(アゾテミア)
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貧血
効果と用途
有効とされる用途
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家族性低リン血症: ビタミンDとリンの併用が骨の異常を改善。
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副甲状腺機能低下症: 血中カルシウム濃度の増加を助ける。
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くる病、骨軟化症、腎性骨異栄養症: ビタミンD補給が予防・治療に効果的。
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ビタミンD欠乏症: 予防・治療に有効。
可能性がある用途
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骨粗鬆症: カルシウムと併用で骨密度低下を防ぐ。
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乾癬(トップカル使用時)。
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花粉症、虫歯予防、心不全リスクの軽減。
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呼吸器感染症予防(小児において)。
効果が不確実な用途
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高血圧、心血管疾患、がん予防、認知症、糖尿病、喘息、うつ病など
まとめ
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ビタミンDは骨の健康維持に不可欠な脂溶性ビタミン。
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適切な摂取量を守れば安全だが、過剰摂取は高カルシウム血症を引き起こす可能性あり。
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食品(魚、卵、乳製品)や日光浴から摂取可能だが、サプリでの補給も一般的。
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- タグ: サプリメント