タイロフォラ (Tylophora)
投稿者 ：リンクプロ on
学名
Tylophora indica（シノニム: Asclepias asthmatica、Cynanchum indicum）
科
キョウチクトウ科 (Apocynaceae)
※旧分類ではガガイモ科 (Asclepiadaceae)
注意
イペカック（吐根）やドイツイペカックとは別の植物です。
概要
タイロフォラは、熱帯アジア（インド、スリランカ、タイ、マレーシア）原産のつる性多年草です。
アフリカにも帰化しています。
学名は、ギリシャ語の「tylos（こぶ）」と「phoros（運ぶ）」に由来します。
使用歴・伝統利用
■ 経口
- アレルギー、喘息、気管支炎、がん、鼻づまり、便秘、咳、皮膚炎、下痢、赤痢、鼓腸、痔、痛風、黄疸、リウマチ、百日咳
- 嘔吐や発汗を促す目的でも使用
■ 外用
- 皮膚潰瘍、創傷
安全性
■「安全性について信頼できる情報が不十分」
■ 妊娠・授乳中
- 情報不足のため使用を避けるべき。
副作用
■ 一般
- 経口摂取で、吐き気、嘔吐、味覚変化、口内痛が報告されています。
効能
■「効果について信頼できる情報が不十分」
- 喘息
一部研究で改善報告あり：
- タイロフォラ抽出物（全アルカロイド0.5mg含有）＋糖0.5gを舌上に置き、その後飲み込む方法
- 40mg抽出物を6日間経口摂取
- 生葉1枚を6日間摂取
- 葉粉末350mgを7日間摂取
※ただし、別の研究では効果なしとする報告もあり、一貫した結果は得られていません。
用法・用量
■ 成人（喘息に対する例）
- タイロフォラ葉粉末：350～400mgを6～7日間
- 生葉：1日1枚を最長12日間
- 抽出物：40mgを6日間
- 全アルカロイド0.5mg含有製剤を6日間
有効成分・製剤化
■ 標準化に関する十分な情報はなし。
■ 主成分
- チロフォリン、チロフォリニニン、デスメチルチロフォリンなどのアルカロイド
- カエンフェロール、ベータシトステロール、スキミアニン
- その他、樹脂、タンニン、糖、カルシウム塩、カリウム塩など
相互作用
■「薬剤との相互作用」
報告なし。
■「サプリメントとの相互作用」
報告なし。
■「疾患との相互作用」
報告なし。
■「検査値への影響」
報告なし。
過剰摂取
■ 動物実験
- アルカロイド経口投与の半数致死量（LD50）：35.32mg/kg
- 単回12～100mg/kgで、不活発、呼吸困難、唾液分泌、鼻汁、下痢など
- 5mg/kgを7日間投与で死亡例あり
薬物動態
信頼できる情報はありません。
作用機序
■ 抗がん作用
- マウス白血病モデルで腫瘍増殖抑制報告あり。
- VEGF（血管内皮成長因子）抑制により、腫瘍血管新生を抑える可能性。
■ 抗ヒスタミン・抗アレルギー作用
- 動物研究で、気管支拡張、細胞膜安定化、肥満細胞脱顆粒抑制、ヒスタミン放出抑制。
■ 内分泌作用
- 喘息患者で尿中17-ケトステロイド増加、好酸球数減少報告あり。
- 副腎皮質刺激作用の可能性。
■ 免疫抑制作用
- 細胞性免疫抑制、食作用促進、液性免疫抑制。
分類
- 免疫調整剤
- 免疫抑制剤
参考文献:
- Natural Medicines Comprehensive Database
- 厚生労働省「統合医療」情報発信サイト
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- タグ: サプリメント