ホワイトデッドネットルフラワー(White Dead Nettle Flower)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Lamium album

科名

シソ科(Lamiaceae/Labiatae)

📌 注意:イラクサ(Stinging Nettle)とは異なる植物です。


概要

ホワイトデッドネットルは、高さ15~30cmほどに成長する多年生植物で、ギザギザの葉を持ちますが、触っても刺されることはありません (98463, 104876)。
花は白またはクリーム色で、多くの腺毛(glandular trichomes)と無腺毛(non-glandular trichomes)が含まれています (104876)。


用途

📌 経口摂取(伝統的な使用)

  • 慢性気管支炎
  • 咽頭炎(喉の炎症)
  • 過多月経(Menorrhagia)
  • 子宮出血(Uterine hemorrhage)
  • 鎮静作用
  • 上気道粘膜の軽度の炎症

📌 外用(伝統的な使用)

  • 口、喉、皮膚の軽度の炎症
  • 原因不明の膣分泌物

📌 食品用途

  • 生のまま、加熱調理、またはお茶として利用される。

安全性

🚨 安全性に関する十分な信頼できる情報はない。

🚨 妊娠・授乳中:「安全性不明(Insufficient reliable information)」

  • 情報が不足しているため、使用を避けるのが望ましい。

副作用

現時点では、副作用に関する情報は限られている。
臨床試験では、副作用の報告はない (2,18,98462)。


有効性

「証拠不十分(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)」

📌 アトピー性皮膚炎(湿疹)に対する効果について

  • 小規模な臨床試験では、ホワイトデッドネットルフラワー、シベリア人参(エゾウコギ)、ヤロウ(セイヨウノコギリソウ)のエキスを1日3回、2週間服用しても、プラセボと比較して症状の改善は見られなかった (98462)。

📌 その他の用途に対する研究が不足しているため、さらなる研究が必要。


用量と使用方法

成人の使用量(伝統的な使用法)

📌 経口摂取

  • 1日の摂取量は3gが伝統的に使用される (2)。

📌 外用(シッツバス・座浴)

  • 5gのホワイトデッドネットルフラワーを浴槽に加えて使用する (2)。

標準化と製剤化

🚨 ホワイトデッドネットルフラワーの標準化に関する十分な情報はない。


相互作用

🚨 薬との相互作用

  • 現在、既知の薬物相互作用は報告されていない。

🚨 サプリメントとの相互作用

  • 現在、既知の相互作用は報告されていない。

🚨 疾患との相互作用

  • 現在、既知の疾患との相互作用は報告されていない。

🚨 検査値との相互作用

  • 現在、既知の検査値への影響は報告されていない。

作用機序(Mechanism of Action)

ホワイトデッドネットルの利用可能な部分

  • 葉、若芽、花 (104876)。

主要成分

  • フェノール酸(クロロゲン酸、フェルラ酸、ガリ酸、p-クマル酸、プロトカテク酸、シリンギン酸、ゲンチジン酸、バニリン酸)
  • タンニン
  • フラボノイド(ルチン、チリロシド、ケルセチン、イソケルセチン)
  • ペクチン
  • フェニルプロパノイド類
  • イリドイド類
  • フェニルエタノイド配糖体(ラミウシドA、B、C、ラミリドシド、ヴェルバスコシド)(98463, 104876)。

📌 ホワイトデッドネットルフラワーの健康効果は、主に抗炎症作用によるものと考えられる。

① 抗炎症作用

  • ホワイトデッドネットルフラワーエキスは、試験管内研究で抗炎症作用を示す。
  • 機序としては、スーパーオキシドおよびヒドロキシルラジカルの消去、活性酸素種(ROS)の産生抑制、インターロイキン(IL)の分泌抑制が含まれる (98463)。

まとめ

ホワイトデッドネットルフラワーは、伝統的に気道粘膜の炎症、過多月経、子宮出血、鎮静などに使用されてきた。
抗炎症作用が期待されるが、臨床試験での有効性は十分に確認されていない。
🚨 安全性に関する情報が不足しているため、妊婦や授乳中の女性は使用を避けるべき。
🚨 アトピー性皮膚炎に対する臨床試験では、有効性が確認されなかった。
🚨 副作用の報告はないが、長期的な安全性については不明。

References

See Monograph References

 


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